放射線治療チーム教育カリキュラム.docVIP

【放射線治療チーム　教育カリキュラム】 『カリキュラムについて』 　このカリキュラムは教育課程を規定するとともに行動目標でもあり、知識、技能の修練度の短期的到達目標も兼ねている。 『カリキュラムの基本理念』 　医療現場のスタッフ?職業人としての自覚を持ち、常に自分から積極的に知識?技術を習得する意欲を持ち、自らの技能の向上は与えられるものではなく己の努力によってのみなしえる、とのスタンスの基にこのカリキュラムは実施される。 「指導されていないから知らない。」ではなく、各自の努力により「知らなければならない。」のがこのカリキュラムの内容である。 　教育の推進及びそれに伴う技能?知識の向上の目的は、癌研有明病院放射線治療チームとして高質の癌治療を癌患者に提供するために行われるのであり、個々人の名誉に帰納するために行われるわけではない。 『スケジュール』 　半年毎に、教育カリキュラムが実施されているかの評価を行う。これは被指導者側から指導者側に対する評価となる。 　実施評価と同時に、指導者を含めたスタッフ全員の技能自己評価を行う。指導者側は実施評価と技能自己評価の結果を分析して、指導内容の反省および進め方の評価を行う。 『教育担当者（指導者）』 　基本的には各治療機の担当責任者又は主任だが、日常の通常業務中、勉強会、メーカーの技術者の説明など全ての時間、場、が教育の現場であり、特に固定して定めるものでない。 　但し、各治療機の担当責任者、主任および教育担当責任者は、このカリキュラムの内容を被指導者側が習得出来るように努力しなければならない。 『被指導者』 　常に切磋琢磨する必要があり、スタッフ全員が被指導者である。 『目標』 　このカリキュラムは放射線治療担当初期段階の到達目標であり、完成目標ではない。 　医療は日進月歩で発展?発達している分野であり、当院が求められる医療レベルを勘案しても、職場に配属されているかぎり日常的な技術?知識の向上は必須であり教育の完成目標は定めない。 　個別的な目標としては、各自で病院の基本指針、放射線治療部の年度目標にそった具体的な目標（習得したい技術、覚えたい知識など）を年度初めに設定し、年度終わりにその評価を自らが行う。そのために、管理者はその年度一年の配属を提示しなければならない。 配属１～６ヶ月：治療部門に初めて配属された技師を対象にする。指導担当技師（配属機器の担当責任者）の指導のもとに放射線治療チームの一員として放射線治療に従事し、標準的な放射線治療を行う。標準的な外部照射の基礎と、治療部門における放射線の取り扱いについての知識の修得を目標とする。 配属７～１２ヶ月：標準的な外部照射の基礎を修得した放射線治療に従事して6ヶ月経過した技師、および過去に放射線治療を経験済みの技師を対象とする。標準的な外部放射線治療に関しては指導担当技師の直接的な指導なしに一連の流れを行い、指導担当技師の指導の下に先端的な放射線治療技術、および、放射線治療に関する線量測定の基礎的な知識の修得を目標とする。 配属2年目以降　：標準的な外部照射のルーチンワークの流れをこなせるようになった技師を対象とする。標準的な外部照射に関しては相互チェックを行いながらその内容を吟味出来るようになり、放射線腫瘍医と共に、より精度の高い治療を行えるようになるのを目標とする。また、外部照射だけでなく、密封小線源治療にも従事しその基礎を学ぶ。経験、知識に応じてSTIなどの特殊照射、線量測定も担当するようにする。学会等に積極的に参加し、指導担当技師の協力の基、自分で演題、論文等を投稿する。ただし、自らの実力を冷静に判断し、出来ることと出来ないことを常に明確に区別し、他スタッフ（特に臨床腫瘍医）、学会等にアピールできることが実力とは思わないように充分注意する。 配属１～6ヶ月　GIO（general instructional objective） 標準的な外部放射線治療に関する知識を習得し、放射線治療チームの一員として治療技師に求められる基本的な臨床能力を身につける。基本的なスタンスとして疑問点、不明点などは部門担当技師に積極的に質問し、先輩→新人だけではない先輩?新人（相互通行）のコミュニケーションをとるように努めなければならない。 配属１～６ヶ月　SBO (Specific behavioral objective) 基本的な放射線治療の手順（段階的な流れ＝計画用ＣＴ撮影→治療計画→Ｘ線シミュレータ→照合写真→照射）、患者の流れを理解する。（知?技?態） 治療室の患者の流れ（入室→待機→ポジショニング→照射→退室）を理解し、標準的な治療の一連の流れを指導技師とともに患者に対し実施し出来るようになる。（