「ピ－スリンクニュ－ス」原稿として -.docVIP

　　　　 2014/6/１８　呉駅前、 「自衛隊の現在を考える呉市民のつどい」への参加と、へり空母反対を訴える ピースリンクニュース８５号　目次 １　第一次世界大戦100年?自衛隊創設６０年?ピースリンク２５年の今年に??????西岡由紀夫＝２ ２　自衛隊と呉　60年????????????????????? ??????????平賀伸一＝４ ３　要請書?????????????????????????????????????????＝６ ４　おおすみと釣船の衝突事故について（その２）??????????????????? ジョージ＝８ ６　活動報告???????????????????????????????????????＝１０ 第一次世界大戦100年?自衛隊創設６０年?ピースリンク２５年の今年に 呉世話人　西岡由紀夫 今年は自衛隊創設６０年、さらに歴史を遡ると第一次世界大戦開戦１００年にあたる。 2014年1月、安倍首相は世界経済フォーラム年次総会（ダボス会議）において「（当時）英国、ドイツは経済的依存度が高く、最大の貿易相手国同士だったにもかかわらず、戦争が起きた」などと述べ、日本と中国との緊張関係について、経済的依存度が高かった英国とドイツが第一次世界大戦で対決したことを例に挙げて説明し、その上で「中国との「偶発的な事故、衝突」を回避するため双方の軍（防衛）当局同士が「コミュニケーションチャンネル」を持つ必要性を強調したという。これに対して中国外務省の秦剛報道局長は、「英独関係を持ち出すなら、近現代史上、日本が中国にどんなことをしたかを直視した方がよい」と批判した。 このことについて、ここでちょっと振り返って考えてみたいと思う。そもそも第一次世界大戦勃発のきっかけは、周知のとおり「サライェボ事件」である。1914年6月末、オーストリア帝位継承者夫妻がセルビア人の民族主義者、愛国青年のプリンチップに暗殺された。そこでオーストリアが事件をスラブ系民族運動をおさえる好機とみて、（ドイツの支持を得て）7月末にセルビアに宣戦すると、ロシアは（汎スラブ主義に基づき）セルビア支援を表明した。ここには全くイギリスもフランスも登場しない。事件の当事者ではないのである。しかし、ドイツ?オーストリアなどの同盟国側と、フランス?ロシア?イギリス?日本などの協商国（連合国）側に分かれてのたたかいとなった。これが第一次世界大戦である。 なぜ、経済的な結びつきの強い英独が戦わねばならなかったのか。それは当時の国際関係において「同盟国と協商国（連合国）」という軍事?政治?経済上の厳しい対立があり、ドイツはオーストリアと同じ汎ゲルマン主義で結びつき、イギリスはといえば、露仏同盟?英仏協商として英仏露がつながる。それは、今日の問題に重ねていえば、国家相互の「集団的自衛権」が働いたためであると言えないであろうか。 今日、日本政府の解釈によると集団的自衛権とは「自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、実力でもって阻止する権利」である。言い換えれば「同盟国が他国から攻撃されたら反撃する権利」である。第一次世界大戦に引き付けて言えば、同盟国との関係から英独も戦争の当事者になったのである。 そして、問題はここに止まらない。この第一次世界大戦において日本は日英同盟でもって連合国側で参戦した。「第一次世界大戦による欧米列強の後退は、日本のあらたな対外進出の機会となった。大戦勃発後、ドイツに宣戦した日本は、中国内のドイツの租借地膠州湾（青島）と太平洋上のドイツ領南洋諸島を占領した。さらに1915年1月、中国に対して山東のドイツ利権の継承など「二十一か条の要求」をつきつけた。袁世凱政権は、中国の主権を無視するものとして初めは拒否したが、軍事力を背景にした日本の圧迫のもとに、主要な要求の承認に追い込まれた。このため、中国人の対日感情は急速に悪化した。」このように、日清?日露の両戦争を経て、第一次世界大戦は、日本が中国への明白な侵略を開始した契機でもあった。だからこそ、「日本は中国で何をしたか」、厳しく問われる。 今から100年前の第一次世界大戦では、航空機?戦車?毒ガスなどの「新兵器」が使用され、総力戦としてたたかわれた。その戦いの状況を描いたレマルクの『西部戦線異状なし』には、学校の教員にあおられて志願し、厳しい訓練を経て、戦場に駆り立てられるドイツの青年たちが、フランスの青年たちと塹壕戦で兵士として銃を交え、命をおとしていく姿が描かれている。若者たちは互いに対立し独仏に分かれて戦わねばならなかった。戦争では一体何がおこるのか、このことは市民として忘れてはならない