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多重比較 東邦大学　地理生態学研究室 　　　　　　　　　　　　　柊　雅実 多重比較とは 多群における各群間での母平均の比較 （どの群とどの群に有意差があるか） A B C D ：サンプル ：比較 分散分析とは 何が違うのか？ 分散分析ANOVAの限界 分散分析の帰無仮説 「各群の母平均は均等である」 分散分析では どの群とどの群の母平均（A群とB群，B群とC群，etc…） に有意差があるか分からない 多重比較が必要 ｔ検定の繰り返し？ ｔ検定を全群間に対して 繰り返せば良いのか？ （右図） A B C D ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ｔ検定をｋ回繰り返すごとに、 帰無仮説を棄却する危険率がｋ倍になる（第一種の過誤） ｔ検定を繰り返すだけではダメ この危険率を補正した 種々の検定法が存在する （これが「多重比較」） 多重比較における二つの立場 事前比較　：実行することが実験?調査の計画段階で 　　　　　　　　　　　　　　　　決められていた多重比較 　　　　　　　　　　　　　　　　　　（明確な仮説アリ） 事後比較　：実験終了後に検討したくなった多重比較 　　　　　　　　　　　　　　　　　　（明確な仮説ナシ） 分散分析後に実行しなければならない 無計画に事後比較を行うのは危険 ＡＮＯＶＡ不要 ＡＮＯＶＡ必要 検定方法の選択基準 ?各群のデータの正規性 （parametric　or　nonparametric　？） ?各群のデータの等分散性 （各群の分散が等しいか　？） ?各群のｎ数 （一致　or　不一致　？） ?事前比較か事後比較か （ＡＮＯＶＡ不要　or　必要　？） 明確な仮説があるかないかで判断 シャピロ?ウィルク検定、正規ＱＱプロット、etc バートレット検定、etc 自分のデータより判断 着眼点 具体的な方法 ?どの群間に興味があるか？ （2群間比較　or　対比較　or　対比　？） 自分の研究内容によって判断 多重比較の検索表 ２群間比較：対照群と各群との比較 対比較：全ての２群同士を比較 対比：全ての対比を比較 制限なし 制限なし 制限なし 不要 2群間比較 Ｂｏｎｆｅｒｏｎｉ/Dunn法 有意水準の補正法 一致 制限なし 制限なし 不要 2群間比較 Shirley‐Williams法 制限なし 制限なし 制限なし 不要 2群間比較 Steel法 制限なし 制限なし 制限なし 不要 対比較 Steel-Dwass法 ノンパラメトリック法 一致 等分散 正規分布 不要 2群間比較 Williams法 制限なし 等分散 正規分布 不要 2群間比較 Dunnett法 制限なし 等分散 正規分布 不要 対比較 Tukey‐Kramer法 パラメトリック法 各群のｎ数 分散 正規分布 ANOVA 比較 方法名 大まかな区分 Tukey-Kramer法 制限なし 等分散 正規分布 不要 対比較 Tukey‐Kramer法 各群のｎ数 分散 正規分布 ANOVA 比較 　 特徴 ?もっとも一般的な方法で，全ての群間を比較する方法 ?過去のTukey法は各群のデータ数（ｎ）が一致する必要があったが， 　Tukey‐Kramer法は一致しなくても良い 40歳男性における飲酒習慣と血圧との関連 適用例 飲酒者 （ｎ＝100） 平均 130 非飲酒者 （ｎ＝80） 平均 125 やめた （ｎ＝90） 平均 135 収縮期血圧（ｍｍHg） 全ての群間の差に興味がある パラメトリック法　① Dunnett法 ?コントロール群と各群の平均値の比較 ?Tukey-kramer法などに比べて，有意差が出やすい 40歳男性における飲酒習慣と血圧との関連 制限なし 等分散 正規分布 不要 ２群間比較 Dunnet法 各群のｎ数 分散 正規分布 ANOVA 比較 　 特徴 適用例 飲酒者 （ｎ＝100） 平均 130 非飲酒者 （ｎ＝80） 平均 125 やめた （ｎ＝20） 平均 135 収縮期血圧（ｍｍHg） 非飲酒者と他の２群の比較 に興味がある パラメトリック法　② Williams法 一致 等分散 正規分布 不要 2群間比較 Williams法 各群のｎ数 分散 正規分布 ANOVA 比較 　 特徴 ?Dunnett法と同じく，コントロール群と各群の比較 ?ただし，ｎ数の一致が条件 ?群の母平均の順番が想定可能な場合，Dunneett法より検出力が良くなる 適用例 40歳男性における飲酒習慣と血圧との関連 週一回飲酒 （ｎ＝50） 平均 130 非飲酒者 （ｎ＝50） 平均 125 毎日飲酒 （ｎ＝50） 平均 135 収縮期血圧（ｍｍHg） パラメトリック法　③ ①Steel‐Dwass法