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臨床腫瘍学総論 （地域がん専門医育成コース必修科目） 授業概要 地域のがん医療の均てん化を図るために、地域に多い高齢者がん医療に精通し、地域連 携を推進し、地域貢献のマインドを有する全人的ながん診療専門医を養成すると共に、リ サーチマインドを有し、臨床試験を計画し、山陰地区からエビデンスを発信できる能力を 育成します。臨床と研究をバランスよく経験させ，双方の能力を兼ね備えたがん専門医を 育成する。 担当教員 礒部 威 （主担当） 教 授?呼吸器?臨床腫瘍学 浦野 健 教 授?病態生化学 田島義証 教 授?消化器?総合外科学 北垣 一 教 授?放射線医学 猪俣泰典 教 授?放射線腫瘍学 熊倉俊一 教 授?地域医療教育学 鈴宮淳司 教 授?腫瘍センター/腫瘍?血液内科 神田秀幸 教 授?環境保健医学 一般目標 general instructional objectives 1 がん対策基本法、がんプロ腫瘍内科医育成 がん対策基本法、がんプロフェッショナル養成プランについて学び、専門医制度の現状 を知り、各自の目標設定を明確にする。 2 臨床腫瘍学と基礎医学の接点 がんのトランスレーショナルリサーチの現状について学び、各自の研究目標に反映させ る。 3 がんの疫学 腫瘍形成における，遺伝因子および環境因子の病因を理解し，疾患の疫学的因子と疾患 の記述内容についての基礎知識を持つ。スクリーニングおよびリスク評価の基本原則を理 解し，使用する検査の感度および特異性，費用対効果を知る。がんの進行を予防する意味 と，がんの発症を予防するためにどのような一次?二次?三次予防法を選択できるかを学 ぶ。 4 放射線診断学 画像診断は臨床医学の中でも特に悪性腫瘍の診療に重要な位置を占めている．近年急 速な発達を遂げたCT，MRIはTNM stagingにおいて必要不可欠である．各画像診断法の 特徴と画像上の鑑別，局所進展，転移病変など臨床例の画像を中心に解説する． 5 放射線腫瘍学 放射線腫瘍学の考え方、基礎的知識、最近の進歩について臨床腫瘍学の立場から理解 できる。 - 9 - 6 腫瘍外科学 代表的な腫瘍の外科的特徴や治療について説明できる。 7 がん薬物療法 初発がんおよび再発がんにおける抗がん薬治療の適応，目標，有用性を理解する必要が ある。術前，同時，術後における，化学療法の有用性を理解し，放射線増感剤としての抗 がん薬の適応も知っておく。 個々の患者についての抗がん薬治療のリスク/ベネフィト比 を決定するために，患者に合併する疾患についても評価する必要がある。 各種薬剤の薬物 動態および薬理に関する知識も習得すべきである。また，各抗がん薬の毒性プロファイル， 各患者（腎不全や肝不全の場合）にあわせた投与?治療スケジュールを調節する方法，合 併症の対処法を知っておくことも重要である。 8 分子標的治療薬 分子標的療法の基礎概念を理解し、各種薬剤の作用機序、薬物動態を習得する。 また，各薬剤の投与適応疾患、効果判定方法、毒性プロファイルを理解し、臨床試験のエ ビデンスを学ぶ。 9 副作用対策 抗がん薬による治療中の支持療法がどのようなものであるかを知り，支持療法を使用で きること。さまざまな支持療法の適応，それらの限界および副作用を知ることが必要とな る。 10 コミュニケーション がん患者や患者家族に対して診断，治療，予後，予想される危険性と毒性，終末期ケア， そして死についての効果的な，かつ相手を慮ったコミュニケーションについて習熟する。 11 高齢者がん治療と臨床薬理 ： 高齢者の薬理動態の特徴を理解し、治療の注意点につい て学ぶ。 12 終末期医療における輸液療法、栄養管理、呼吸困難への対応について学ぶ。 13 終末期医療の社会、倫理的側面について学ぶ。 14統計学と臨床研究 臨床試験のデザインおよび実施に関する教育を受ける。統計学の基礎、発表された論文 の科学的価値，およびそれらの日常診療への効果を評価できることも