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No. 3 2016. 7 Vol.13（通巻51号） 　昨年行われた、がん対策推進基本計画の中間評価では、「10年 巻　頭　言 間でがんの年齢調整死亡率20％減少」の目標達成は困難と予測さ 次期がん対策 れ、がん対策加速化プランが出されました。現在、第 3 期がん対 推進基本計画の策定が 策推進基本計画の策定作業が開始されており、「がん対策推進協 始まっています 議会」と共に、＜がん診療提供体制＞、＜検診＞、＜緩和ケア＞ に関する検討会が開催されています。 　＜がん診療提供体制のあり方に関する検討会＞では、今まで推 進されてきたがん医療の“均てん化”とは逆に、“集約化”した 方がよい領域や機能についての議論もされ、「均てん化と集約化 のバランス」が重要な検討課題となっています。また、「がん患 国立病院機構九州がんセンター 者さんやご家族が必要な情報にたどり着くことが出来ないこと」 院長 が重要な課題です。がん診療連携拠点病院には「がん相談支援 藤　也寸志 とう や す し センター」が設置されていますが、前述の中間評価では、利用し 略　歴 た人はわずか 8 ％でした。利用者の満足度が81％であることを考 1984年九州大学医学部を卒業し、 外科に入局、1989年九州大学大学 えると有用なシステムですが、周知が全く不十分です。情報提供 院博士課程修了後、九州大学ウイ について医療者の意識改革が必要です。 ルス学文部教官、アメリカMDア ンダーソンがんセンター留学を経 　我々医療者は、いずれの課題に関しても患者さんやご家族の視 て、1997年より国立病院（現?国 立病院機構）九州がんセンター勤 点に立って深く思いを致す事が求められています。一方で、がん 務。2015年 7 月より現職 専門は食道外科、日本食道学会? 診療連携拠点病院の指定要件は、年々高度になってきています。 理事、日本気管食道科学会?理事、 厳しい医療経済状況の中で、国や都道府県の十分な補助がない中、 日本癌治療学会?代議員、日本が ん治療認定医機構?理事など。 病院スタッフの使命感や情熱を維持し、その活動を持続させるた 厚生労働省「がん診療提供体制の あり方に関する検討会」?構成員 めの視点も必要だと感じています。国民と医療者が一体となって、 国立がん研究センターがん対策情 がん医療を推進していくためのシステム作りを求めていきたいと 報センター?がん情報サービス専 門家パネル委員 思っています。 2 Vol.13【No.3】 市民のためのがん治療の会 平成 第１回「市民のためのがん治療の会」講演会要旨（1） 28年 「より良いがん治療を提供するために」を共催して 厚生連高岡病院　院長　北川　清秀 昭和26年石川県金沢市生まれ、昭和51年金沢大学医学部卒、金沢大学放射線科入局。 その後富山県立中央病院放射線科、ゲーテ大学病院