乳腺外科の体制強化について.pdfVIP

tsu na gu b e l i e v e #02 october 2013 枚方病院 乳 腺 外 科の体 制 強 化について すぎ え ともはる 杉江　知治 関西医科大学附属枚方病院 乳腺外科　診療教授 この度、平成 25 年 4 月 1 日付で 関西医科大学外科学講座乳腺外 科診療教授を拝命いたしました。北 河内地区の先生方ならびに関連医療 機関の皆様にはこの場をおかりして ご挨拶申し上げます。 　 私 は、 京 都 生 ま れ の 京 都 育 ち で、 昭和 62 年に京都大学医学部を卒業 後、ただちに外科学講座に入局いた しました。関連病院で外科医として 5 年間の修練を積んだ後、平成 4 年 に京都大学大学院医学研究科に帰学 し、学位取得後の平成 9 年からはス タンフォード大学へ留学し、そこで 4 年間の研究生活を送りました。平 成 13 年に帰国し、京都大学腫瘍外 科をへて関連病院で外科医として勤 務しておりましたが、京都大学に乳 腺外科が新設されたことを機に、平 成 20 年に京都大学に戻り、助教な らびに准教授として 5 年間、京都大 学での乳癌診療、研究、教育に取り 組んでまいりました。 　乳癌は、わが国の女性が最も多く 罹患する癌腫であり、その死亡率も 上昇傾向にあります。この乳癌の予 後を改善するためには、乳癌検診を 普及することに加え、手術、放射線 治療、化学療法、ホルモン療法、分 子標的療法を組み合わせた集学的治 療を実践することが必要です。特に、 乳癌診療に関するここ数年にわたる 進歩は著しく、患者個人に見合った 個別化治療も進められています。私 は、関西医科大学がこの北河内地区 における検診精査機関としての役割 を十二分に果たし、科学的根拠に基 づいた安全で安心な乳癌診療を地域 の方々に提供できるよう努めてまい ります。さらに、新しい医療技術の 開 発 に も 力 を い れ、 本 年 度 中 に は、 先進医療として経口抗癌剤である TS-1 を併用する術後ホルモン療法や ゾレドロン酸を併用する術前ホルモ ン療法を枚方病院でも開始する予定 にしております。手術では、インプ ラントを用いた乳房再建手術が保険 承認され、枚方病院は本年 7 月に再 建用インプラント実施施設として認 定されました。今後は、形成外科と 連携しながら、根治性と整容性をか ねた乳癌手術を行ってまいる所存で す。 　関西医科大学では枚方病院、香里 病院に加え滝井病院でも 7 年ぶり に乳腺外科を再開いたしました。私 共は、この乳癌領域において地域の 皆様のご期待にそえますよう今後も 診療活動につとめてまいります。検 診で要精査となった方、あるいは乳 腺疾患が疑われる方がおられました ら、どうか遠慮なく私共にご相談い ただければ幸いです。 今後とも皆様のご支援賜りますよう よろしくお願いいたします。 トピックス がん治療?緩和センターを開設します 　厚生労働省は、緩和ケアを組み入れたがん診療提供体制の構築に向け、その具体的なあり方などの検討を進めています。昨年 4 月に設置された緩和ケア推進検討会では、「都道府県がん診療連携拠点病院等に、これまでの緩和ケア体制をさらに強化した緩和 ケアセンターを整備する」方針を打ち出し、センターの機能を明確にするとともに、拠点病院が取り組むべき緩和ケアの課題が提示 されました。 　具体的な機能としては、①患者?家族の意思決定環境、②苦痛のスクリーニング、③基本的緩和ケア、④専門的緩和ケアとそこへ のアクセスの改善、⑤相談支援、切れ目のない地域連携体制などです。 　関西医科大学附属枚方病院では、がんと診断された時、高度な医療を提供するのはもちろんのこと、それと同時に早期から患者 および家族の苦痛?不安をサポートすることをこれまで以上に積極的に取り組んで参ります。その実現のために、全国に先駆け、化学 療法センター（待ち時間解消のため 20 床から 35 床に増床）と緩和ケアセンターを同エリア内に併設する『がん治療?緩和センター』 を開設することになりました。がん治療中の患者さんであればいつでも緩和ケアのサポートが受けられます。 01　つなぐ＋b e l i e v e #02 呼 吸 器 腫 瘍内科 　 科 長 着 任のご挨 拶 くら た たかやす 倉田　宝保 関西医科大学附属枚方病院 呼吸器腫瘍内科　診療教授 平成 25 年 4 月 1 日付にて、関西 医科大学内科 学第一講座?関 西医科大学附属枚方病院　呼吸器腫 瘍 内 科 診 療 教 授を拝 命いたしました 倉田宝保と申します。私は平成 2 年に 広島大学医学部医学科を卒業しました 後に呼吸器病学を専門の一つとしてお りました広島大学第