帝京大学文学部心理学科実験準備室業務報告（2008年度）新谷和代.pdfVIP

帝京大学　文学部心理学科実験準備室　業務報告　（2008年度） 新谷和代　実吉綾子 帝京大学心理学科実験準備室は、1988年の心理学科創設とともに開室され、本年4月で21年 目を迎える。節目の年を契機に、業務活動の概要を報告する。 【スタッフ】 助教（常勤 教務/履修相談担当）1名、助手（常勤 管財/会計/図書担当）1名、助手補佐員 （非常勤）3名の合計5名。（2008年度現在） 【業務内容】 1．各学年必修授業の割り振りと調整?授業運営のバックアップ 心理学科の専門科目には、演習形式や実験授業が多く、また殆どが必修授業である。1年 ではライフデザイン演習ⅠⅡ、情報処理演習ⅠAB、2年では心理学基礎実験実習ⅠⅡ、心理 学検査?測定実習、心理学基礎文献研究ⅠⅡ、3年では心理学特殊実験演習、心理学演習AB、 4年では卒業論文(選択)が開講されている。複数の教員が担当するゼミ形式の授業の履修に ついては、担当の先生の希望を心理学科実験準備室（以下準備室と略称）が調査する。希望 を受け付けた後で、なるべく希望に沿うように人数の調整を行い、掲示にて発表する。また これらの授業は、教員と学生が最も密接にかかわる授業であり、学生の出席状況や授業に取 り組む様子については、担当教員から準備室に報告されることもある。準備室では、授業開 始1ヶ月後に出欠状況をチェックし、教務委員を中心に履修指導も行っている。準備室は以 上のように、教員からの個々の学生の履修についての報告や、一斉出欠調査からの履修状況 などを把握しながら、学生がより円滑に学業を進めていけるよう、配慮や指導を行ってい る。 2．学業についての相談 ① 履修科目相談 準備室では常時、受付カウンターにて、卒業に必要な単位数や講義科目について相談を受 付けている。心理学科は、3年次進級のための要求科目（1年次の心理学基礎論ⅠⅡ、情報 処理演習ⅠAB、ライフデザイン演習ⅠⅡ、2年次の心理学基礎実験実習または心理学検査? 測定実習）があり、特に2年次の2つの実験科目は、実験と1週間後のレポート提出が毎週続 き、学生に対する要求が最も高い科目のひとつである。レポートの提出状況を把握し、教員 111 帝京大学　心理学紀要 2009, No.13, 111－113 の採点前に、書式の間違いや適切なページ数に満たないレポートの提出者を呼び出して指導 し、再提出させている。 ② 出席状況調査と呼び出し指導 前期と後期の授業開始1ヶ月間は、学年ごとの必修演習授業について、出席状況調査を行 っている。4年生については、卒業に必要な124単位を大幅に満たしていない学生もリスト アップし、留年者への指導とあわせて、出席指導を行っている。 ③ 学生の個別履修相談 何らかの事情や気分の落ち込みにより、欠席が続く学生にとっては、次第に授業に出席し づらい状況が続き、授業復帰ができず、単位を落としてしまうこともある。そのような学生 に対しては、教員が本人に連絡をして、研究室で面談をする他、必要に応じて教務担当の助 教が、時間を取って履修相談を行っている。その場合はまず授業担当の教員が、欠席の続く 学生の状況を準備室に知らせ、他の授業でも欠席が続いていることがわかれば、授業ごとの 面談よりも、準備室での履修全体に関する面談となることもある。 また、学校に姿を見せなくなった友人を心配して、同級生が準備室に相談に来るケースも ある。その場合はまず情報を収集し、本人に連絡を入れ、面談に来てもらう。また、本人自 らが準備室に来室し、不調を訴え、面談となるケースもある。面接の中では、大学や勉学に 対する意欲を失い、物事を積極的に考えづらくなっている状況に共感しながら、無理をさせ ないよう十分配慮し、学業復帰に向けた方法を共に考えていく。面接は、場合によっては複 数回行われることもある。 ④ 保護者との面談/電話相談 学生の成績表は、セメスター毎に保護者の元にも郵送されるが、準備室では、授業への出 席状況や単位取得状況の確認を希望する、保護者からの問い合わせを受付けている。また、 学業に対する取り組みが消極的であり、留年を心配する保護者からの電話相談や面談希望も 受付けている。教員、保護者、大学教務と共に連携を取りながら、学生の授業への復帰をサ ポートしている。 3．備品管理 心理学科の学生は、2年次では、年間を通した必修の基礎実験科目がある（前述）。また3 年次には、基礎心理コース、発達心理コース、社会心理コースの3コースに分かれ、様々な 調査や実験を行う。準備室では、授業教材や実験?調査のための材料などを購入して保管し、 授業時や実験時に準備している。また、実験のための刺激材料などの印刷などの準備も行っ ている。 112 4