JA上伊那における米穀施設の収支構造改革.pdfVIP

JA-IT 研究会 第40 回公開研究会（2015 年6 月13 日） [報告4] JA 上伊那における米穀施設の収支構造改革 下村篤（JA 上伊那常務理事） 1、JA 上伊那の概況 JA の販売高は、最盛期 には 180 億円ほどあった が、現在は 138 億円にま 米を基盤としたJA で減っている。これには 米価下落の影響が非常に 今回の中身は第 34 回公開研究会でも若干触れて 大きい。 いる。今回は米穀施設、とくにカントリーエレベー ター（以下、CE）、ライスセンター（RC）に絞って 収支構造改革の取り組みをご報告したい。 JA 上伊那の概況は下記のとおりだ。 協同会社 明治時代には養蚕の盛んな地域で、農業協同組合 協同会社について簡単に触れておくと、㈱グレー 運動がその時代から盛んだった。この姿は今も変わ ス、㈱オートパル上伊那、㈱JA 菜園の 3 社がある。 らないと自負している。その一つの表れだと思うが、 ㈱グレースというのは冠婚葬祭・食堂・美容・貸 TPP 参加反対の署名数は県下 1、3.11 震災募金も県 衣装などをやる会社が、コンビニ店舗の経営も始め の4 分の 1 を集めて県下1 だ。 た。ファミリーマートを 10 店舗展開する計画で、 JA 上伊那は米を基盤とした JA だ。米の集荷率は いま9 店舗を展開している。米の販売力強化とセッ 県下でいちばん高い。反収と 1 等米比率は全国トッ トで事業展開を図っている。 プだ（2014 年産では残念ながら両方とも 2 位にな ㈱JA 菜園は、畑作地帯で野菜の栽培・販売を行 ってしまったが）。ナラシ対策（収入減少影響緩和 なう会社だ。これは大変な仕事で、いま赤字の垂れ 対策）の加入率も 77%を超え、自給農家を除くと 流しになってしまっていて非常に苦しい。 100%に近い。これは中央会によれば全国1 ではない かとのことだ。 【ＪＡ上伊那の概況】 (2015 年 2 月末日) １.地 域 ☆ 人 口 18.4 万人 ☆ 世 帯 6.5 万世帯 (2.8 人) ☆耕地面積 9.344ha ２.組織の概要 ☆ 組合員 28,931 人 (正組合員 16,476 人、准組合員 12,455 人) ☆総代 530 人 ☆ 資本金 204 億 4,384 万円 (出資金 82.052 億円、積立金 116 億円、自己資本比率 20.8％) ☆ 役 員 理事 34 人 ( うち常勤4 人) 監事 7 人 ( うち常勤 1 人) ☆ 職 員 979 人 (一般 442 人、営農指導 58 人、生活指導 12 人、出向 44 名、臨時 423 人) ３.主な経営数値 ☆ 貯 金 2,453 億円 ☆ 貸出金 693 億円 ☆長期共済保有高 1 兆 1,732 億円 ☆ 販売品 138 億円 ☆ 生産購買品 58 億円 ☆ 直売所 11 億円 ☆ 生活購買品 52 億円 ☆ 事業利益 338 百万