平成17年度M4試験医療安全管理学Ⅰ（実施20051205）（出題橋本）.pdfVIP

平成１７年度Ｍ４試験 ： 医療安全管理学Ⅰ （実施：2005/12/05） （出題 橋本） ■以下の各設問について解答用紙に答えなさい。記述をもとめる設問については、長駄文とならな いよう簡潔に記述しなさい。また、（ ）のなかには適切な語句を記入しなさい。 ＜選択問題：１，２のうち１題＞ １．医療サービスの特性として、１）サービス財としての特性、２）医療という特性、に分けて講 義しました。それぞれについて、医療のあり方と関連させながら説明しなさい。 ２．わが国の医療供給体制の成立過程の特異性について、１）医療機関が「薬の提供」をその業務 としていった歴史的経緯（出自）とそのことの影響、２）第２次世界大戦後の医療供給体制整 備の政策とその影響、を講義しました。それぞれについて説明しなさい。 ＜必須問題：３～５＞ ３．平成１１年１月の「横浜市立大学附属病院の患者取り違え事故」は典型的な組織事故であると いわれます。先ず「安全文化とはなにか」を説明し、組織事故であるとされる理由を説明しな さい。 ４．医療においてリスクがゼロということはあり得ません。したがって、医療安全活動や対策の本 質は、①（ ）と②（ ）の２つに集 約されます。 ５．下は安全確保対策のための重要な概念です。それぞれについて説明し、医療における例を述べ なさい。 １） Fool Proof ２） Fail Safe コアカリA 過去問解答＆ポイント by コアカリA シケタイ ＜第一問＞ 1) サービス財としての特性 これにはまず無形性(非有形性)があげられます。医療の中にはモノの形では現せないもの が多く含まれているのだから、これは当然。次に変動性(異質性)。これは、医療(サービス) の質というものは常に一定ではなく、患者(サービスを受ける人)やその人が置かれている環 境などによって変化するということです。他には一過性(非貯蔵性)。有形である商品と違っ て、医療(サービス)は無形性であり蓄えることができず、その場(医療現場)で医療を受ける(消 費する) しかないということです。そして最後に生産と消費の同時性(不可分性)です。これは、 医師が患者さんに対して治療を行う(サービスを生産) と、それと同時に患者さんは治療を受 ける(サービスを消費する) ことになり、そのため医師と患者さんが同じ場にいなければなら ないことから分かります。 2) 医療という特性 まず高専門性。医療は他の様々な業種と比較して、やはり専門性が高いと言わざるをえま せん。また、仕事の中で人間の生命を預かる場面も多く、そのため高倫理性が求められます。 さらに、患者さん(需要者)の方からすると自分でどんな治療(需要) を受けるか(細部にわたっ て)決定できない、医師(供給者)からすると治療効果が明確になりにくいといったことがあり ます。これが不確実性です。授業で先生が説明したのは以上の三点でしたが、以下は念のた め。利潤を得るためには少品種大量生産と行きたいところですが、医療においては稀な疾患 に対する治療も用意する必要があるわけで、結果多品種少量生産ということになります。あ と、医療現場における人の多さを考えれば、労働集約性は分かると思います。そして最後に あげられるのが、保険の必要性です。 ＜第二問＞ 1) 医療機関が「薬の提供」をその業務としていった歴史的経緯(出自) とそのことの影響 日本では、江戸時代のころには現在で言うところの内科医として、漢方医が定着していま した。漢方医たちは当然自分たちで漢方薬を作り処方して