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当科の概要・理念 開設以来４０余年、メンバーは診療、教育、研究に す。特に今世紀に入り登場したイマチニブやリツキシ 文字通り寝食を忘れて取り組む熱血集団として内外に マブ等の分子標的治療薬は、１０年前では想像できな 評価され、また、それを誇りとしています。我々の主 いような治療成績を挙げ、多くの患者を救っています。 たる専攻分野は、血液学と糖尿病学を中心とする内分 このように当科は、日進月歩の医学の進歩に触れなが 泌代謝学です。両学域は同じ内科学分野に含まれます ら内科医として様々な臨床能力を最大限に高めること が、全く異なった性格を持ちます。血液の診療はとて を目標にしています。患者に対して“優しい”治療を もダイナミックであり、糖尿病の診療はサイエンスと 目指し、臨床と研究を高いレベルで遂行していきたい ヒューマニティが融合した奥深いものです。また、内 と考えています。 分泌学には論理的に診断と治療を行って行く醍醐味が 糖尿病・内分泌学は、患者さんの診察と検査から深 あります。このように色味の違う領域を同時に学べる く考察し、原因となる基本病態を特定し、最も有効な ことは、教育・診療・研究に厚みをもたらすとともに、 治療法を選択する、内科学の醍醐味が味わえる領域で 両方の衣をまとうことで個性豊かで信頼していただけ す。学べば学ぶほど、経験・知識が多ければそれだけ、 る医療人が育っています。 より深みのある診療が可能となる興味の尽きない分野 血液内科学は、近年の科学の進歩により病態の解明、 です。一方、基礎医学の研究成果が臨床に応用される 治療の開発が急速に進んでいる分野の一つです。昭和 分野でもあり、毎年多くの新薬が開発・応用され、活 ５８年に西日本で初めて骨髄移植を成功させて以来、 気あふれる領域に成長しました。現在、糖尿病の診療 血縁、非血縁ドナーからの移植医療を積極的に行い、 に必須のHbA1c 分画と糖尿病の関係を世界に先駆けて 造血器疾患の予後改善に貢献してきました。最近では、 報告したのは、当科の先達です。伝統に裏打ちされた ＨＬＡミスマッチ移植やミニ移植に成功しています。 研修医指導は徹底され、第一線で活躍する医療人を多 また、昔から基礎医学と臨床医学の橋渡しがスムーズ 数輩出しています。 に進み、先端技術が臨床の場で随所に導入されていま 研修目標 内分泌・代謝疾患、血液・造血器疾患、膠原病、感染症に適切に対応できるよう、内科医としての基本的能力を習得すること を目的とする。特に、患者や連携する医師との間のコミュニケーションを円滑にするためのノウハウ、プレゼンテーションの技 法などを実践的に身につける。化学療法、抗菌薬の使用、無菌管理、輸血、内分泌負荷試験、血糖コントロールの基礎など他科 では習得できない考え方・技術を学ぶことができる。能力に応じて、骨髄穿刺検査、血管確保、呼吸管理、救急対応など全身管 理の基本を習得する。 研修医の 1 週間 ―診療とカンファレンスの積み重ねから－ 病棟医長 有好浩一 まずは、右も左もよく分からず、その責任の重さも量りか 理解を深めていきましょう。週に３〜４回の症例検討を行い ねる。誰でも初めはそうかもしれません。社会人の一人とな ますので、担当外の疾患についても勉強になることでしょう。 り、身の回りの大きな環境変化に戸惑うかもしれませんが、 指導医や先輩医師に張り付いても構いません。疾患について 日々一つ一つの仕事を積み重ねて前に進めば、経験豊かな医 の詳細な知識修得や医療手技の上達に時間を費やしてもよい 師へと成長します。いずれ高い目標に向かって進んでいける と思います。大学病院であればプレゼンテーションの能力も はずです。どこで初期研修を行っても、一定の研鑽を積むこ 上達することでしょう。数々の先進的な医療や研究に接する とはできますが、一人一人の患者さんと向き合い、実臨床の 機会も多く、皆さんを強く刺激することと思います。当然で 中で医