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東京慈恵会医科大学 教育・研究年報2009年版 総合健診・予防医学センター センター長　　銭　谷　幹　男 教　授：銭谷　幹男　　肝臓病学 Ⅲ． 教　授：阪本　要一　　糖尿病学 前年度に引き続き，日立製作所中央研究所の協力 教　授：和田　高士　　健康医学・予防医学 を得ながら，生活習慣病の研究を進めてきた。メタ 教　授：恩田　威一  周産期医学 ボリックシンドロームの改善には，不適切な食事・ （産婦人科学より出向） 運動習慣の是正と減量が重要である。そこで，今年 講　師：高橋　宏樹　　肝臓病学 度は，これらによるメタボリックシンドロームの改 講　師：川瀬　和美   乳腺外科学 （外科学より出向） 善効果について分析を行った。メタボリックシンド ローム該当群，予備群とともに，食事量の抑制，ま たは定期的な運動を実施して，体重を kg 以上減 少することが，メタボリックシンドローム改善に効 Ⅰ． 果的であることを確認した。 2009 年度より新たに，和田高士は，東京慈恵会 医科大学大学院医学研究科（博士課程）の健康科学 Ⅳ． 教授に就任し，社会健康医学の一翼を担うことに 慢性腎臓病は，GFR（糸球体濾過量）で表され なった。また，医学研究科看護学専攻修士課程を兼 る腎機能の低下があるか，腎臓の障害を示唆する所 任することになり，がん看護学特論を担当すること 見が慢性的に持続する病態をすべて含む概念であ になった。がん治療後の社会復帰について，また代 る。CKD のステージ分類は，腎機能の評価指標で 替医療，健康食品をも含め，多くのがん患者が直面 ある GFR を用いて行われる。現在，GFR の悪化に する問題をとりあげた。 影響する要因について検証している。 Ⅱ． Ⅴ． 新たな概念である「肺年齢」に関する研究を開始 従来から進めている基本的な生活習慣の有効性に した。世界保健機構は，慢性閉塞性肺疾患について， ついて，引き続き研究の継続をした。高血圧発症予 全世界における死亡原因の順位として 1990 年は第 防に， 種類（ブレスローの つの健康習慣，森本 位であるが，2020 年には第 位になると予測し の つの健康習慣，池田の つの健康習慣）の基本 ている。呼吸機能検査では通常検査として 秒量が 的な生活習慣は有用かどうか， 種類の中でどれが 測定される。 秒量の重症度をより一般の人にもわ もっとも優れているかを，いきいき健康増進財団の かりやすく表現する肺年齢の計算式が発表された。 助成によって研究を行った。 肺年齢は，同性・同世代と比較し自分の呼吸機能が どの程度であるかを評価できるため，呼吸機能の異 　 常を早い段階で認識してもらうことで，肺の健康意 ．新橋健診センター 識を高めると期待されている。そこで我