第３章 光と磁気の現象論.doc

螅芄罿薅罿芃薁薁艿莆罿莆螈螈袀薆螇芀芄罿薅罿芃薁薁艿莆罿莆螈螈袀薆螇芀螅螅芄罿薅罿芃薁薁艿莆罿莆螈螈袀薆螇芀芄罿薅罿 第３章 光と磁気の現象論 第３章の内容 前章では、磁気光学効果がどのような現象であるのかについて概略を述べた。第３章ではこの効果が物質のどのような性質に基づいて生じるかを述べる。この章では物質のミクロな性質には目をつぶって、物質を連続体のように扱い、偏光が伝わる様子を電磁波の基本方程式であるマクスウェルの方程式によって記述する。物質の応答は誘電率によって表す。この章ではこのようなマクロな立場に立って磁気光学効果がどのように説明できるかについて述べる。この章では，第２章とは違ってやや煩雑な式を使うことになるが，しばらくの間我慢してほしい．ほとんどの式は読者が自ら誘導できるように，問題などの形で補ったつもりである．忙しい読者は各節の終わりのまとめだけを読んでいただければよい．誘電率はミクロな電子構造によって記述されるのであるが，これについては第４章で述べる。 ３．１ 円偏光と磁気光学効果 ここでは旋光性や円二色性が左右円偏光に対する物質の応答の差に基づいて生じることを説明する。 図3.1を見てもらいたい。この図で光は紙面に垂直に裏側に向かっているものとする。２章の約束に従って、時計回りの電界ベクトルを右円偏光、反時計回りの電界ベクトルを左円偏光と定義する。 直線偏光の電界ベクトルの軌跡は（ａ）のように、振幅と回転速度が等しい右円偏光と左円偏光との合成で表される。（ａ）の直線偏光が物質を透過したとき、もし透過後の光の左円偏光が（ｂ）のように右円偏光よりも位相が進んでいたとするとこれらを合成した電界ベクトルの軌跡は、もとの直線偏光から傾いたものになる。この傾きの角が旋光角と呼ばれ、右円偏光と左円偏光の位相差の半分に等しい。一方、（ｃ）のように右円偏光と左円偏光のベクトルの振幅に差が生じたとき，それらの合成ベクトルの軌跡は楕円になる。このような性質を円（偏光）二色性（Circular Dichroism：ＣＤ）と呼ぶ。楕円偏光の楕円率は楕円の短軸と長軸の長さの比の逆正接（arctangent：tan-1）であるが、この比が小さいときは長さの比としてもさしつかえない。以上は左右円偏光の位相と振幅の違いを別々に考えたのであるが、現実には両方が同時に生じるので、合成ベクトルは（ｄ）のように主軸の傾いた楕円偏光になっている。 このように、旋光性や円二色性は右円偏光と左円偏光に対する物質の応答に違いがあるために生じるということがおわかりいただけたと思う。左右円偏光に対する物質の応答の違いはマクロには誘電テンソルまたは伝導率テンソルの非対角成分から生じることが、マクスウェル方程式を用いて説明できる。このことは３．３節（p.**）で詳しく論じる。 なお、上述の話は磁気光学効果の場合だけでなく、光学活性一般で成り立つ話であると理解されたい。 -------------------------- ３．１節のまとめ ? 直線偏光：右円偏光と左円偏光に分解できる 旋光性：物質中で右円偏光と左円偏光の位相に差が生じたとき起きる 円二色性：右円偏光と左円偏光に対する物質の吸収に差が生じたとき起きる ------------------------------- 3.2 光と物質のむすびつき1)(誘電率と伝導率(やや先走るようであるが?3.5節の具体例(図3.6, p.**)をご覧いただきたい?これは添加YIG()の磁気光学効果に関する論文からとったものであるが?測定された反射回転?を用いるのであろうか?1つは?入射角や磁化の向きに依存する量で?を表す量ではないが?は物質に固有の量であるからである?2番目には物質中の電子構造とか光学遷移のに直接結びつけることができるのがからである?連続媒体中の光の伝わり方はで記述されるについては3.3節に詳述するが?ここでは電磁波の電界と磁界との間の関係を与える2階の微分方程式であると理解しておいて欲しい?このとき媒体の応答を与えるのが?誘電率εまたは伝導率σである?磁性体中の伝搬であるから透磁率が効いてくるのではないかと考える人があるかも知れない?しかし?光の振動数くらいの高周波になると巨視的な磁化はほとんど磁界に追従できなくなるため?透磁率をμ?μ0としたときの比透磁率μは1として扱ってよい?およその見当としては?強磁性共鳴の振動数以上の振動数に対してはμ=1となる?(μ0は真空の透磁率でありSI単位系特有のものである?ここに?μ0 =1.257×10-6