はじめに - 三菱総合研究所.PDF

『2020 年東京オリンピック・パラリンピック競技大会 レガシー』に関する提言（中間報告） 2014 年7 月 レガシー共創協議会 はじめに 2020 年オリンピック・パラリンピック東京大会（以下、2020 年東京大会）に向け、本格的な 準備が始まりました。 この「『2020 年東京オリンピック・パラリンピック競技大会レガシー』に関する提言（中間報 告）」（以下、本提言）は、2020 年東京大会が、東京をはじめ日本全国、さらに世界全体によ り良いレガシー（未来への遺産）をもたらすことができるよう、民間の発意により、産業界・行 政・大学・スポーツ団体・NGO など多様な組織団体が検討に参加し、取りまとめたもので す。 オリンピック・パラリンピックは世界最大級のスポーツの祭典として、スポーツを起点に多く の分野で、新たな発展や質的向上をもたらすことが期待されています。こうした成果を国際 オリンピック委員会（IOC）は「オリンピック・パラリンピック・レガシー」と呼び、スポーツ、社会 （文化、教育）、環境、都市、経済の5 つの分野でレガシーを築くことを目指しています。 本提言は、2020 年東京大会で実現したいレガシーについて、今後、大会組織委員会や 府省、自治体等によって策定されるであろうレガシープランへ提案することを第一義とし、プ ラチナ社会研究会・レガシー共創協議会の参加者の精力的な取組によって作成されました。 プラチナ社会研究会は株式会社三菱総合研究所が2010 年に設置し、現在400 以上の組 織団体が参加し活動しています。レガシー共創協議会はその分科会として本年4 月に発足 しました。参加団体の総数は164、検討参加者は約2 か月の間に延べ1,000 人を超えました。 民間企業のほか、府省、東京都、自治体、スポーツ団体などに加えて、ラグビーワールドカ ップ2019 組織委員会、関西ワールドマスターズゲームズ2021 大会準備委員会から参加い ただいたことも大きな特長です。 2020 年東京大会は、開催条件から、IOC の掲げるオリンピック・パラリンピック・レガシーの 真髄に迫る取組ができる好機だと考えます。 その思いを、大会関係者にお伝えし、レガシープランに反映していただくことをお願いす るとともに、私たち自身がその実現に向けて取り組むことを表明します。同時に、それぞれの 関係者への働きかけを積極的に行っていく所存です。 本提言は中間報告であり、引き続き検討を進め、本年12 月を目途に成案を策定します。 大会開催まで 6 年。計画づくり・準備の時間は、思いのほか長くありません。本提言の作 成に参加、支援いただいた多くの皆様に厚く御礼申し上げるとともに、ここを出発点として、 さらに多くの皆様にご参画いただくことをお願いするものです。 共創のプラットフォームを活用し、知恵を出し合いともに行動して、2020 年東京大会を契 機に、あるべき未来社会の実現に向け貢献したいと考えます。 2014 年7 月 プラチナ社会研究会・レガシー共創協議会 （事務局並びに取扱い 株式会社三菱総合研究所） i ◆ 目 次 ◆ 1． 基本方針 1 1.1 課題認識 1 1.2 オリンピック・パラリンピックの意義2 1.3 重要な視点 3 1.4 2030 年ビジョン 5 1.5 レガシープランで想定すべき分野 8 2． 分野別プラン（ポジティブレガシーによる社会課題解決） 11 2.1 全員が能力と個性を発揮し、活躍する社会 11 2.2 皆が健康でアクティブに暮らせる社会20 2.3 世界に開かれ、ジャパン・クオリティを広める