被覆変换群.DOCVIP

５．基本群（ポアンカレ群） 領域内にある２つの曲線が Ｈ－１　の始点＝の始点 Ｈ－２　の終点＝の終点 Ｈ－３　始点、終点を固定したままをに連続変形できる の３条件をみたすとき、と書き、とはhomotope であるという。 この関係～は同値関係である。 さて、連結な領域と内の一点を固定するとき、を始点かつ終点とする内の閉曲線全体がつくる内の閉曲線全体をと書く。2曲線との連接したものをとかくと 補題　5.1 のとき、 でを満たす に属する曲線はホモトピ同値関係～で類別される。そこでの～による商空間をと書く。～同値類をhomotopy class という。に対して、を含むhomotppy classをと書く。つまり、に対してとなるわけである。そこで、について、, なるを選びとの連接をつくると、これを要素とする同値類がひとつきまるが、これは、、, の選び方に依存しない。つまりが矛盾無く定義される。連接なる演算が定まりこの演算により、は群となる。つまり、の要素で1点に収縮可能な閉曲線をzero-homotope な曲線といいその同値類を１と表す。そしてそれを含む同値類も括弧を略し１と表す。１は群の単位元である。とそれを含む同値類に対し逆にたどる道をと書きそれを含む同値類をやはりとかく。は群の元の逆元である。定理としてまとめると、 定理　５．１は連接により群となる。すなわち、 を満たす。 ８．被覆 定義　とを2つの連結領域とする。からへの写像がつぎの2つの条件 （Ｃ－１）（Ｃ－２）を満たすときはからへの被覆写像covering map である という。はによってを被覆するといい、をの被覆面という。 （Ｃ－１）はからへの上への連続写像である。 （Ｃ－２）任意のに対し、,であり、の まわりに十分小さい近傍をとると、 , () とできる。ただし、はの近傍である。さらに、はからの上への 位相同相homeomorphism となっている。 ９．被覆面と基本群 を被覆とする。は連続写像であるから、がのなかの図形の上を連続的に変動するとき。はのなかを連続的に変動する。の描くのなかの図形をと表す。がのなかの曲線を描いて変動するとき、はのなかの曲線を描く。曲線が閉曲線のとき、も閉曲線である。2曲線との連接に対してが成立する。さらに、ホモトープの性質も遺伝する。。の１点を定め、とする。 との関係をしらべよう。任意のに対して、となるをとると、を含むホモトピクラスが定まる。この対応は、 の代表元のえらびかたに依存しないつまり、なる対応が得られる。の性質からはからへの準同型写像であることが分かる。さらに詳しく 定理９　の被覆はの部分群を定める。逆にの任意の部分群に対して、となるようなの被覆が存在する。 定理１０．はからへの準同型写像は単射である。 １１．被覆変換群 を被覆とする。の２点がのときとは共役という。 に共役な点の個数は自身をふくめ個ある。の２曲線. が同一の曲線のモチアゲ?トレースであるとき、.とは互いに共役であるという。 内の任意の閉曲線の共役たちがすべて閉曲線であるとき、は ガロア被覆と呼ばれる。 定義：を被覆とする。からへの上へのhomeomorphism が任意のに対してをみたすとき、はの被覆変換という。 被覆変換全体をと書く。は群を作る。この群をの被覆変換群 covering transformation group という。 命題 11.1 を被覆変換とする。であれば、とは共役である。逆に、とが共役ならば、となるはただひとつである。 . 定理11.1 がガロア被覆であるとする。とがで互いに共役な任意の１組とするとき、となるが存在する。 定理のとなるをと書く。に共役な点の集合をとするとに対してにおける被覆変換は ＝恒等変換、 と、個ある。 定理 11.2 がガロア被覆であるとする。 [1] はの正規部分群 である。 [2] 。 ここで、かつとする。 これは、群の準同型定理そのものである。 定理Ａ：群から群への準同型に対し、 [1] はの正規部分群である。 [2] 定理１１．２の証明 に対してをとる。であるから、はを始点、を終点とする閉曲線である。これをの関数としてと書く。被覆関数を考えるとであると同時にとなる。いいかえれば、はと共役になっている。つまり、とである。そこで、記号の簡単のためと書こう。は次を満たす。 （ⅰ） （ⅱ） （ⅲ） （ⅲ）は定理Ａ[1]よりはの正規部分群であることを示し（ⅱ）（ⅲ）は定理Ａ[2]よりを示している。したがって、が（ⅰ）（ⅱ）（ⅲ）を満たすことを示せばよい。 （ⅲ）の証明 を仮定すると、であるから。 図を参照すれば、が閉曲線であることがわかる。つまりなるものとすると