世田谷区関东中央病院消化器内科，上下部内视镜治疗部门.PDFVIP

当科では吐血，タール便，黒色便，下血，血便，貧血などの症状の患者様に対して夜間も含めた緊急内視 鏡治療の対応をしております．治療しない場合は失血死，低酸素脳症，心筋梗塞などを引き起こすことがあ ります．また世田谷区以外からの救急車にも対応しています．図1に緊急上部内視鏡止血治療の件数を示し ます．毎年，約80-100件程度の止血術を行っております．これは大学病院程度のレベルになります．また止 血術をしない緊急内視鏡検査をうけられた患者様は，この件数より多くなります．世田谷地区を中心とした 地域の救命治療に貢献しています．図2に示すとおり当科で止血治療を受けられた方の約7割は潰瘍です．図 3に実際の胃潰瘍出血に対する内視鏡的クリップ止血術を示します．図4は食道静脈瘤破裂の内視鏡的静脈瘤 結紮術です．他にも緊急下部内視鏡の止血治療も行っています． 止血治療を受けられた方の約 7 割は潰瘍でした。（図 2） 実際の胃潰瘍出血に対する内視鏡的クリップ止血術を示します。（図 3） 道静脈瘤破裂の内視鏡的静脈瘤結紮術です（図 4）。緊急下部内視鏡の止血治療も行っています。 30 年前まで胃癌の治療は，すべて外科的手術でした．しかし現在では早期消化器癌であれば内視鏡的切 除で完治できるようになりました．当科での実際の治療は関東中央病院ホームページ消化器科に戻り切ら ずに治す胃癌を御参照下さい．早期胃癌に対して内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を行っています．早期胃癌 の内視鏡的切除は2006年33件でしたが2007年60件と増加してからは毎年50-60件の治療件数となってい ます．治療時間は 1 時間程度です．また世田谷区，目黒区，渋谷区，狛江市，調布市などの近医からの早期 胃癌の紹介が増えています．地域の先生方の胃癌の早期発見に対する意気込みが感じられます． 大腸については大腸ポリープや 2cm 以下の早期の大腸癌であれば外来で大腸内視鏡検査時に切除してい ます．その日の内に帰れますが組織結果は後日，外来に来て頂きます．この日帰りの大腸内視鏡的粘膜術 (EMR)は 2007 年で 307 件, 2011 年で 481 件ありました．さらに 2cm 以上の腫瘍に対して大きく剥離する大 腸内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)は難易度の高く（大腸の壁は胃に比べ非常に薄いため），一括で剥離する適 応を十分考慮しながら 2008 年に 20 件，2009 年は 31 件，2010 年は 21 件, 2011 年は 29 件, 2012 年は 25 件でした．この治療には入院が必要になります(入院期間は 2-8 日間程度で切除する大きさにより異なりま す)．図 5に実際の早期大腸癌に対する大腸内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)の治療を示します．尚，いままで 先端医療であった大腸 ESD について当院は日本内視鏡学会主導の全国多施設共同研究(全国 70 施設程度)に 参加し H24年度からの保険収載（高額の自費などではなく保険内での治療が可能になりました）に協力いた しました。 以上の胃癌・大腸癌の当院治療実績については 2008 年以降は読売新聞全国誌の特集＜病院の実力＞など に掲載されています． 必要な栄養を口からとることのできない方が対象になります．最近では在宅医療が重視されており，高価 で管理の難しい高カロリー点滴(中心静脈栄養)より胃ろう(胃からの管)からの経管栄養剤の注入の方が費 用的にも安いため御家族の負担が少ないこと，食事していることと同じため栄養状態が良くなること，長期 療養施設での受け入れが容易であることも造設希望の理由になっています．ただし，これは内視鏡による手 術ですのでリスクもあります．原則的には当院で栄養管理している入院患者様に作成しています．表 1 に