违反是正事例（事例3－3）.PDFVIP

違反是正事例（事例３－３） テーマ 資金難を理由とする消防用設備未設置の遡及対象物の違反処理 平成１８年 所有者と賃貸借契約を結んでいる会社が、特定用途として利用している ため遡及対象となった対象物で、所有者が資金難等を理由として、設備 設置を履行しなかった違反処理の事例。 防火対象物の概要 (1) 用 途 飲食店（3 項ロ） (2) 構造・規模 耐火造 地上4 階 屋内階段1、1 階喫茶店厨房及び客席、 2 階、3 階喫茶店客席、4 階喫茶店事務室及び倉庫 建築面積 50.9 ㎡、延べ面積192.7 ㎡（使用開始届出） ※ 建築面積 56.55 ㎡、延べ面積225.54 ㎡（不動産登記） (3) 収容人員 収容人員43 人 (4) 消防用設備等 消火器、非常警報設備（非常ベル） 避難器具(2 階・3 階避難はしご、4 階緩降機）、誘導灯 飲食店 F4 飲食店 F3 飲食店 F2 GL 飲食店 F1 1, 違反処理の概要 (1) 政令改正に伴う実態調査 ア 平成15年9 月15 日、実態調査を実施 本件建物の実態調査を実施したところ、消防法施行令第21 条第1 項第6 号の2(現、 第1項第7 号)に該当し、平成17年10月1 日以降自動火災報知設備の設置義務が生ずる 防火対象物であることを確認した。 イ 建物の管理形態 本件建物は、建物全体をコーヒーショップチェーンであるＧ㈱が占有しており、建物 登記によると所有者はＡ及びＢ （夫婦）並びにＣ （長男）であった。 建物の所有権については、平成2 年にＡの名義で新築登記され、平成13年にＡ、Ｂ、 Ｃの3名の名義（各々の持分1／3 ずつ）で変更登記された。 所有者、占有者双方からの事情聴取によると、新築後Ａ及びＢが建物全体を占有し、 喫茶店を経営していたが、平成13 年にＧ㈱と賃貸借契約を締結し、1 棟貸しして、Ｇ㈱ 64 が現在の状態で喫茶店の経営を始め、現在に至っている。 (2) 占有者(Ｇ㈱)に対する設置指導 賃借後、Ｇ㈱が内装工事（階段の傾斜を緩くする改築も実施）を行い、消火器、誘導灯、 非常ベル及び避難器具に関する必要な改修、設置も実施したこと、及び消防用設備等点検 報告を現在までＧ㈱が実施していることから、平成15年10月20 日、Ｇ㈱に指導書を交 付して、自動火災報知設備の設置指導を行ったが、賃貸借契約の特約などの契約内容につ いては確認していない。 平成16年4 月にＧ㈱の担当者が来署し設置意思を示すとともに、平成17年1月20 日 には所有者の一人Ｃも同様の見解を示した。 (3) 所有者に対する設置指導 ア 平成17年2 月9 日、Ｇ㈱より設置義務は、所有者側にあるとの申し出があり、署内で 検討の結果、賃貸借契約に賃借人が消防用設備等の設置維持を行う特約があることが認 められなかったため、所有者に対して設置指導を行うこととした。 イ 平成17年5 月23 日、立入検査を実施し、立入検査結果通知書に指導事項として自動 火災報知設備の設置を記載、所有者3名に対して交付したところ、所有者の一人Ｃが口 頭で期日までの設置と、以後の窓口となることを表明した。 ウ 平成17年6 月6