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* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * 計算力学技術者２級（熱流体力学分野の解析技術者）認定試験対策講習会  － 　７章　境界条件　－ 認定を取得した技術者は，基本的な流体力学，熱力学（伝熱学を含む）の問題に対して，単相の非圧縮性流／圧縮性流／層流／乱流の範囲において正しく解析問題を設定することができ，解析方法の内容を理解しており，さらに解析結果の信頼性を自分自身で検証することができる．よって，いずれかの信頼のおけるCAE ソフトウエアを用いて適切な解析機能を選択しながら，基本的な熱流体問題を大はずれを出すことなく解けるものと期待できる． 認定レベル ７章の代表的なキーワード 　流入条件 　流出条件 　壁面境界条件 　圧力境界条件 　熱的境界条件 　壁関数 　no-slipとfree-slip （滑りなしと滑りあり条件） 　境界層外縁（上端境界条件） 　超音速流，亜音速流 境界条件 問７－１ 入口から管壁が等温加熱された粘性流体の円管内流れの定常計算を行う．その際の流入境界条件は一様な速度と温度を与えることとするが，それに関する記述のうち正しいものは次のどれか 速度についてはノイマン条件，温度についてもノイマン条件である． 速度についてはディリクレ条件，温度についてはノイマン条件である． 速度についてはノイマン条件，温度についてはディリクレ条件である． 速度についてはディリクレ条件，温度についてもディリクレ条件である． 等温加熱 一様速度 一様温度 問７－１解説 キーワード：流入条件 境界条件には，例えばu = f で与えられるようディリクレ条件と，例えば?u/?n で与えられるノイマン条件がある．この円管内流れの計算の場合，速度場に関する流入条件はある速度を与えるため，ディリクレ条件となる．また，温度場に関しても，流入部で一定温度としているので，これもディリクレ条件である． u t 等温加熱 流出条件はノイマン条件であればどこに設定しても良い． 流出条件はノイマン条件で十分に発達した場所で設定する． 流出条件はディリクレ条件であればどこに設定しても良い． 流出条件はディリクレ条件で十分に発達した場所で設定する． 問７－２ 入口から管壁が加熱された粘性流体の円管内流れの定常計算を行う．その際の温度に対する流出境界条件に関する記述のうち最も妥当であるものは次のどれか． 加熱 問７－２解説 キーワード：流出条件 円管内流れの計算を行う場合には，流出境界条件を設定する場所を考えなければならない．円管内流れは流れ場が完全発達しうるので，そこではノイマン条件が成立する．また，加熱された流体は，最終的には加熱管の壁面温度と同一温度となるため，ディリクレ条件も考えられるが，それは入口からかなり離れた場所であるため現実的にはノイマン条件で設定する方がよい． 加熱 ｘ方向 ｘ方向に変化なし （完全発達条件） 問７－３ 円管の外周が水蒸気で一様に加熱された円管内粘性流れの計算を行う．入口から空気が10m/s，20 ℃で流入するとし，この時の壁面境界条件に関する記述のうち正しいものは次のどれか． 速度の境界条件は滑り条件であり，温度の境界条件は熱流束一定条件である． 速度の境界条件は滑り無し条件であり，温度の境界条件は熱流束一定条件である． 速度の境界条件は滑り無し条件であり，温度の境界条件は壁温一定条件である． 速度の境界条件は滑り条件であり，温度の境界条件は断熱条件である． 周囲を水蒸気で加熱 問７－３解説 キーワード：壁面境界条件 入口から管の周りが水蒸気で一様に加熱された円管内流れでは，壁温は一定となる．また，速度は粘性流体のため滑り無し（No-Slip）条件が適用される． 周囲を水蒸気で加熱 １００℃（等温）でも良いが，実際は円管壁の材質等により，凝縮が起こり若干温度が下がる．また，電熱線等で加熱した場合には，等熱流束条件を作ることが出来る． 滑り無し（粘着条件）で壁面上では速度０ 問７－４ 固体壁上の速度に滑り無し境界条件（No-Slip Condition: u = v = w = 0）を適用して粘性流体の計算を行う．圧力の壁面境界条件に関する記述のうち最も妥当なものは次のどれか． 圧力の壁面境界条件は０である． 壁面で圧力の壁面垂直方向微分は厳密に０である． 圧力の壁面境界条件と運動方程式は関連がない． 圧力の壁面境界条件は運動方程式のバランスから考えた方が良い． 壁面（Wall) 問７－４解説 キーワード：圧力境界条件 滑り無し境界条件が適用された場合，壁面垂直方向速度の粘性項は壁面上で０とならないため，壁面圧力の境界条件は壁面上における運動方程式の釣り合い