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平松彩子 米国連邦議会下院米国連邦議会下院におけるにおけるイデオロギーイデオロギー的議員連盟的議員連盟の分析の分析 米国連邦議会下院米国連邦議会下院におけるにおけるイデオロギーイデオロギー的議員連盟的議員連盟のの分析分析 ——２０００− ２０００年を年を中心中心にに— — ——−年をを中心中心にに—— (修士論文の序章、第一章抜粋) 法学政治学研究科修士 ２年 平松彩子 はじめにはじめに はじめにはじめに 共和党多数議会 となった１９９５年から ２０００年にかけての六年間に、米 国連邦議会下院には五つのイデオロギー的議員連盟が形成されていた。すなわ ち、民主党リベラル派のプログレッシブ ・コーカス、穏健派のニュー ・デモク ラット ・コアリション、保守派のブルー ・ドッグ・コアリション、そして共和 党穏健派のチューズデー ・ランチ・バンチ、保守派のコンサーバティブ・アク ション ・ティームである。これら五つは、同じ政党に所属する議員 らによって 構成 されており、また政党指導部や、常設委員会などの議会公式制度からは独 立して立法活動を行っていた。 １９９０年代後半の議会二大政党は、イデオロギー的に政党内が均質化し、 政党間でイデオロギー的乖離が進んだとされている。１９６０年代まで多く存 在していた民主党の南部保守派および共和党の北部リベラル派は、１９９０年 代になると数が減り、議会政治において激しい党派対立が生じるようになった。 民主党と共和党の間で対立が深まり、「政党間戦争1」が起きているとまで言われ ているのである。また従来の議会政党研究は、１９７０年代の議会制度改革後、 多数党内部のイデオロギー的均質性が高まり、政党指導部の権限が強化された 2 ことで、条件付き政党政府 が登場したと解釈 してきた。条件付き政党政府論と はつまり、多数党内に政策合意がある場合に、指導部はその政策を実現すべく 議事運営規則委員会やホィップ ・システムなどを利用する権力を多数党議員ら から委任 されているというものである。 連邦議会に関する多くの先行研究は、議会内の公式制度や、政党指導部の権 限に着目し、議会制度の設定と政策アウトカムについて、合理的選択論や新制 度論にもとづいて計量統計をはじめとする量的な分析をおこなってきた。これ らの研究は多くの理論を生み出してきたが、現実の議会政治にイデオロギー的 1 Sinclair, Barbara. Party Wars: Polarization and the Politics of National Policy Making. University of Oklahoma Press. 2006. 2 Rohde, David. Parties and Leaders in the Post Reform House. The University of Chicago Press. 1991. 1 平松彩子 議員連盟が存在していることについては、詳しい研究はなされていないように 思われる。 上記の議論をふまえた上で、本稿は五つのイデロギー的議員連盟が議会政党 指導部の選出、および立法過程において果たしていた役割を実証分析する。共 通するイデオロギーを奉じる議員 らによって政党内で