火灾周边温度分布の研究 - 东京消防庁.pdf

火災周辺温度分布の研究 松 )11 渉* 未 .，r 道 生** 口 なる性質をもっているが，簡単に述べると絶対温度雰 1.はじめに 度以上の物体より放射される電磁波の全放射エネルギ 2 -W(W/μm は，絶対温度TCOK)の4乗に比例して 大震災時の火災は，広媛にわたって一挙に各地で発 ) 変化し，単色放射発散度 2 WA(W/μm が最大となる 生することが予想され，また密集市街地にあってはそ ) れらのい〈っかが合流して大火災になることが当然考 波長Am(μm)は.赤外線の領域にあり，通常の温度 えられる。過去の震災記録を見ても合流した大火炎か 測定範囲においては，その放射エネルギーのほとんど ら放出される放射熱や熱気流が，延焼速度を極度に早 が赤外線領域に属する波長Hμm)の電磁波である。 くし，それが多数の避難者に大きな障害となった実例 (2) 赤外線撮像装置の原理 が少な〈なL。、 赤外線撮像装置は，前述したように物体が温度に応 広域にわたる多発合流火災下にあっては，避難者の じて赤外線(エネルギー〕を放射していることを利用 安全を図ることが最も優先されねばならないが，適切 して，物体の温度分布の表示及び温度測定を行なう装 な誘導をするためには，合流火災の大局をは湿するこ 置(写真 1)である。 とが重要であろう。 しかし，地上において広成火災の大勢をは控室するこ とは限界があるため，より広範な観測視野を得るため 思~t叫 には機上からの航空観測がもっとも有効な手段である と考えられる。そこで当研究所では，機上から火災周 辺温度分布をとらえる手段として，赤外線搬像装置を 取り上げ，震災対策研究のー環として，その消防的応 用の研究に着手した。初年度は赤外線撮像装置による 基礎実験として，各種温度物体及び燃焼炎の測温録像 と遠隔地からの実験火災の温度分布撮像実験を実施し たのでその結果を報告する。 2， 赤外線撮像装置について ~ーーー. 写真 1 (1) 物体と赤外線の放射 物体の表面はその温度が絶対温度零度WK=一273 機構原理は図 lに示すように， ミラー光学系の作動に OC)以上であれば，どんな物質の物体でも原子・分子 より被写体面を走査し，チョッパーにより被写体面の の振動・回転により電厳波を放射している。この電磁 各スポットから放射される赤外線の熱エネルギーと比 波の放射エネルギーは物体の温度TCOK)により大き 較しながら，随時検出器の検出素子に集束し，この半 く異なり，またこの電磁波は単一波長では