平成21年度国语科第3学年.PDFVIP

第３学年 国語科学習指導案 ろ組 男子１９名 女子２０名 計３９名 指 導 者 中 野 晶 仁 １ 単元 本と友だちになろう （教材 「三年とうげ」光村３年上） ２ 単元について (1) 単元の位置とねらい この期の子どもたちは，これまでに第２学年 「本と友だちになろう」の学習で，場面の様子につ いて，登場人物の行動を中心に想像を広げながら読む能力を身に付けてきている。また，楽しんだ り知識を得たりするために読書しようとする態度も身に付けてきている。さらに，読んだ本の内容 に関連した他の本や文章などを読んだり，気に入った本を取り上げて紹介したりしたいという願い をもっている。 そこでここでは，場面の移り変わりに注意しながら，登場人物の性格や気持ちの変化などについ て叙述を基にして読み取る能力や，いろいろな読み物を読もうとする態度を身に付けさせたいと考 え，本単元 「本と友だちになろう」（教材 「三年とうげ」）を設定した。 この学習は，情景を想像させる言葉を手がかりに読み取ったり，シリーズものや同じ作家の本の 読書をふまえていろいろな種類のおすすめの本を紹介しあったりする 「本と友達になろう」の学習 へと発展するものである。 (2) 指導の基本的な立場 教材 「三年とうげ」は，朝鮮半島に伝わる民話である。全体に流れるリズムやテンポの良さは， 語り継がれた昔話や民話の特徴を伝えている。言い伝えの歌のとらえ方によりおじいさんの気持ち が変化していく展開がおもしろく，楽しみながら読める本教材は，この期の子どもたちに適した教 材である。また，「すっとんで」「はね起きました」などの複合語が効果的に使われたり，起承転結 という構成で物語が分かりやすく展開されたりして，イメージ豊かに読み進めることができる。 そこで，本単元では，「三年とうげ」のおもしろさを紹介することにより，一人一人の感じ方に 違いがあり，いろいろな読みものを読み，紹介することを目的に読み進めていく。その際，登場人 物の性格や気持ちの変化について話し合う活動を通して，自分の感じ方をとらえさせる必要がある。 その際，単元の終末に気に入った本を選んで紹介する 「読書紹介」を行うという見通しをもたせて 学習していくことが大切である。 具体的にはまず，これまでに読んだことのある日本や世界各国の民話 ・物語について読書紹介を 行い，一人一人好きな本が違うことに注目させたり，友達が紹介する本を読ませたりすることで意 欲をもたせ，読書への関心を高める。また，教師が作成した本の帯を提示し，目的に応じて，より 分かりやすく本の紹介を行うことを知らせることで見通しをもたせ，単元への意欲付けを図る。 次に，教材文 「三年とうげ」を，場面の移り変わりやおじいさんの気持ちの変化などを叙述に基 づいて読み，各場面で読み取った内容について本の帯にまとめさせる。その際，会話文や行動，様 子を表す言葉などに着目して読み取ることを具体的な観点として示し，まとめさせる。また，三年 とうげの本の帯を作ることで，一人一人の感じ方に違いがあることに気付かせ，自分が選んだ本を 紹介する時に必要となる観点を確認する。 さらに，終末では，各自が作成した本の帯を使って本の紹介を行い，友達と自分の読みの観点の 違いから読書の楽しさについて考えさせたり，いろいろな読み物への興味が広がったりしたことに 目を向けさせる。その際，帯に書かれたどの内容から読んでみたいと思ったのかをカードに記入さ せ，相互評価させる。 このような学習を通して得られる能力や態度は，叙述に即して情景を読みとることや，相手や目 的に応じて分かりやすく相手に伝えようとする態度に結び付いていくものである。 (3) 子どもの実態 本学級の子どもたちが，本単元の学習について本教材をどのように受け止め，どのような興味や 関心を持っているかを調査した結果は，次のとおりである。（数字は人数を示す。） ① 初発の感想