含油廃水処理と廃油処理について - J-Stage.PDF

含油廃水処理 と廃油処理について 横 田 欣 也* The Treatment of Oily Waste Water and Waste Oil Kin-ya YOKOTA* の存在状態 は上記 の2つ または3つ全部 が共存 している 概 要 ことが多い。 含油廃水処理や廃油処理 は,廃棄物 の再生利用が可能 他方 表1,2に示すよ うな,発生源 による分類があ り, な処理の一例である。 よく使われてい る。 この観点 よ り,含油廃 水 処理 と廃油処理 の現状 を述 べ 表1　発生源による含油廃水の分類 ,こ の処理 で使用 され るエマルジ ョンブ レーカーとそ の役割 について述べた。 は じ め に 従来の公害対策 は,廃 棄 物 処 分的な取 り組み方 が多 く,いかに して低 コス トで処分す るか とい う考 え方 が主 流であった ように思 うが,公害規制の強化 と,一昨年末 の石油不足以来,廃 水処理 は資源回収 として考え られ る よ うになってきた。特 に含油廃水や廃油の処理において は,石油類の回収法 としての検討 がなされ るようになっ てきた。その結果,従来廃油の焼却や投棄処分 を行 なっ ていた廃油処理業が,廃 油再生業 として脚光 を浴びつっ 表2　廃油の発生源による分類 ある。 ここでは,含油廃水 と廃油の処理 の現状 と,そこで使 用 されるエマルジ ョンブ レーカーの処理例 のい くつかを 紹介する。 I.　含 油廃水,廃 油の分類 含油廃水や廃 油の分類 として,系 内の油の存在状態の 違い によ り区別す る方法がある。含油廃水では,水面に 浮上 し油層 を形成 しているものを 浮「上油」,水 中に油 滴 となって懸濁 しているのを 分「散油」,水 中で小 さい エマルジ ョン粒子 として存在 しているものを 乳「化油」 と呼んでいる。 しか しなが ら,実際の含油廃水 では,油 * 第 一工業製薬(株)研 究部 II.　処 理 方 法 一般 の廃水処理 と同様に * Daiichi Kogyo Seiyaku K .K. ,物理法,物理化学法,生物 法があ り,廃水や廃油の性状や処理 目的に応 じて処理方 法が選ばれている。代表的な分i類例を 表3に 示す。 323 324 有機合成化学　第33巻第5号(1975) (30) 表3処 理方法の分類 例 は少 ないが,その効果は抜群 である。活性炭以外の吸 着材 としては,P.P.繊維のフェル ト状 充 てん体や,ワ ックス3)に吸着 させる例 な どがある。吸着法 は,重力分