宇部港PortofUbe.PDFVIP

■港格／重要港湾 宇部港 Port of Ube ■港湾管理者／山口県 ■指定年月日／昭和26年1月 宇部港は、山口県の西南部に位置し、古くから背後の地域から産出される石炭、石灰石等の積出港として発展してきました。 1951年には重要港湾に指定され、セメント・石炭などの鉱工業品を中心に取り扱う工業港として発展しました。現在では、石油 化学、化学工業等の新たな臨海企業が立地し、瀬戸内海工業地帯の工業港として重要な役割を担っています。取扱貨物の特 色は、石炭、原油、セメント、石油製品、石灰石等となっています。 港湾施設については、近年の入港船舶の大型化に対応した岸壁と一体となった航路・泊地の整備をおこなっています。平成15 年には、徳山下松港とともに総合静脈物流拠点（リサイクルポート）に指定され、リサイクルの拠点を目指しています。また平成23 年には、徳山下松港とともに国際バルク戦略港湾に選定を受け、官民連携の深化等を通じ、今後のさらなる物流の効率化や民 間企業の国内投資を呼び込むことで、我が国産業の国際競争力の更なる強化が期待されます。 やまぐち「港」物語 －宇部港－ 「有限の石炭を無限の富に。」渡辺祐策が創始した沖ノ山炭鉱を中心とする石炭工業とともに宇部港は発展していきました。 明治時代の宇部港は、石炭輸送の窓口としての役割を担っていました。 明治から大正まで、宇部炭の主な配送は海上輸送でした。そのため、採炭技術を近代化させた宇部炭田にとって、より一層 石炭を流通させるための輸送基盤を固める必要がありました。海岸線に並んだ大規模な炭鉱によって、宇部港は自ずと大型 船舶を停泊させるための開発が進み、大正末期には沖ノ山炭鉱によって本格的な石炭埠頭と港湾建設が進められていきまし た。 ↑石炭積込桟橋と帆船（宇部市・大正15年頃）／明治から大正ま ↑昭和8年7月31日に完工した沖ノ山南部防波堤（871.2m）／昭 で、石炭の輸送は主に帆船でおこなわれていました。 和4年4月に着工されたこの防波堤建設によって、宇部港は2,000 トン級の鋼船の接岸が可能な大規模な港へと発展しました。 写真／宇部市発行「炭鉱－有限から無限へ－」、郷土出版社発行「目で見る 宇部・小野田・美祢の100年」より転載 宇部港整備事業の紹介 －本港地区航路・泊地整備事業－ 本港地区 泊地（-13m） ※工事中 航路（-13m） ※工事中 宇部港は、港内に水深13mの芝中西1号岸壁及び水深12mの芝中西2号岸壁という大型係留施設を有していますが、航路及 び泊地の計画水深が確保されていない状況にあります。このため、既設の大型係留施設での貨物の取扱いに際し、対象船型と なる3万トンから4万トン級の大型船舶が入港できず、荷主企業は非効率な輸送を余儀なくされています。 この様な状況は、輸送コストの負担増となり、荷主企業の国際競争力を低下させる要因となることから、本港航路及び泊地の 水深13mへの増深を行っています。 沖の山コールセンター 総合静脈物流拠点港 －リサイクルポート－ 年間の取扱能力は600万トンで一般炭の輸入 広域的なリサイクル施設の立地に対応した静脈 中継基地としては国内最大級の規模を誇ります。 物流ネットワークの拠点となる港湾のことです。全 世界中の石炭を日本各地の工場や発電所へ届け 国で21港が指定を受け、山口県内では宇部港と るための中継基地として重要な役