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特発性血小板减少性紫斑病Idiopathic

ROCKY NOTE http://rockymuku.sakura.ne.jp/ROCKYNOTE.html 特発性血小板減少性紫斑病 Idiopathic thrombocytopenic purpura :ITP (130109) 5 歳男児。四肢に紫斑。特に誘因なし。関節内出血なし。粘膜に出血無し。肝脾腫なし。Plt 9000。 ITP 疑いで、後方病院の小児科に紹介。まだ大丈夫そうなので、翌日受診でも OK とのこと。今後、 慌てずに対応するために勉強しておく必要がありそう。超急いだ方がいいのはどんなケース? まずは基本的なことから復習してみる。 □ 定義  2009 年 International Working Group によりterminology や定義などの標準化がすすめられた。 まず、血小板減少症を血小板数 10 万/ μl 未満と定義した。そして、ITP という略語は immune thrombocytopenia を意味し、本疾患を免疫系の異常に基づく血小板減少症と定義した。2)  急性型、慢性型、重症型などと分類されていたものを、primary ITP、secondary ITP と分類 し、さらに病期分類や重症例・不応例などを定義した。2)  臨床病期は newly diagnosed ITP、persistent ITP、chronic ITP の 3 病期に分けられた。従 来の急性型(多くは小児でみられ、その病態が 6 か月以内に改善した症例)という表記は廃 止された。Newly diagnosis ITP は、文字通り新たに診断された症例を意味する。Persistent ITP とは ITP の状況が診断から 3~12 か月継続しているもの、chronic ITP は 12 か月以上 継続するものを意味し、これらの期間に自然寛解がないもの、あるいは治療終了とすること のできていない症例のこととした。2)  急性 ITP では数週間で血小板が増加することが多いが、6 カ月以上かけて自然軽快する症 例も経験されるため、6 カ月という期間が急性と慢性を分ける分岐点であるとはいい難く、あ くまで便宜上の期間といえる。3) □ 基本  ウイルス性発疹または上気道感染からの回復後に起こる重症の血小板減少症(急性特発性 血小板減少性紫斑病 acute ITP)の急激な発症は、小児によくみられ、小児の免疫性血小板 減少症の 90%を占める。1)  一過性の免疫性血小板減少症は、伝染性単核球症、急性トキソプラズマ症、サイトメガロウ イルス感染症の一部の症例に合併 し、ウイルス性肝炎の前駆期やヒト免疫不全ウイルス (HIV)の感染初期にも見られることがある。1)  急性 ITP の約半数で、風疹、水痘、ムンプス、麻疹、伝染性単核球症、その他の上気道感染 などウイルス感染症が先行し、急激に発症する。血小板膜糖蛋白に対する抗体(とくに抗 GP ROCKY NOTE http://rockymuku.sakura.ne.jp/ROCKYNOTE.html ROCKY NOTE http://rockymuku.sakura.ne.jp/ROCKYNOTE.html Ⅱb-Ⅲa 抗体)は急性型においても検出されるが、予後との関係は明らかではない。3)  急性 ITP は成人ではまれであり、免疫性血小板減少症を有する思春期以降の患者のうち 10%未満である。1)  成人患者は、より軽症の血小板減少症を伴うことがほとんどで、これは長年にわたって持続 することがあり、慢性 ITP chronic ITP と呼ばれる。1) □ 症状  生来健康な小児が急な紫斑や鼻出血で受診し、末梢血液検査で血小板減少以外に異常が なければ、ITP の可能性が極めて高い。先行感染や予防接種から 1 カ月前後の発症ならば 典型的である。このような典型例では骨髄検査は不要である。5)  重篤な出血を欠くにもかかわらず、食思低下、著明な肝脾腫、発熱

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