市立小学校第6学年図画工作科学习指导案.PDFVIP

〈平成18 年度小中高の系統的指導法開発実践講座〉 ○○市立○○小学校 第６学年 図画工作科学習指導案 平成 18 年○月○日（○）第 3 校時 平成 18 年○月○日（○）第 3・4 校時 活動場所 多目的ホール及び図工室 指 導 者 ○ ○ ○ ○ １ 題材名 墨de 和ごころ ～日本の美術～ 「墨のよさを味わおう」（鑑賞） ２ 題材について （１）児童の実態 この時期の児童は、作品などをはじめは、「好きだ 」。「おもしろい 」。「不思議だ 」。 「さびしそう。」というように主観的に見る傾向がある。そのことがきっかけになっ て見方を変えたり深く見たりしながら、やがて、その美しさを感じ、味わうようにな る。 本学級の児童の多くは、毎時間ごとの最後に行うミニ鑑賞パーティーを楽しみにし ている。友だちの作品の技法、色の使い方、構図のおもしろさなどを自分なりに感じ、 味わっている。中には、自分の作品に自信がもてず、「ぼくは下手だから。」と言う 児童もいるが、そのような児童も友だちのよさを素直に認め、作品の一部や作品全体 の構図のおもしろさや色の美しさなどを自分なりに味わっている。 6 年生になってからの鑑賞は、７月に題材名「色で感じてわたしの想い」を行った。 この題材は、色に対しての関心を深めていくことをねらった学習である。はじめに、 線だけで表現したゴッホの「アルルの寝室」を見て、その印象を話し合った。次に、 イメージカードに示されたテーマの感じになるように、線だけで表現した「アルルの 寝室」に彩色した。そして、彩色された「アルルの寝室」から受けるイメージや表現 の意図を話し合い、色に対しての関心を深めていった。この学習によって、児童は色 で作品を見ていく楽しさや色が与えるイメージを感じ取り、味わうことができた。ま た、この経験は今後の学習に生かすことができると考える。 児童のほとんどは、墨は文字を書くだけのものであると思っている。そこで、本題 材では、墨を絵の具代わりに使い、筆や筆以外の描画材料の扱い方を工夫して、墨で 描く楽しさ、墨の濃淡のおもしろさ、濃い墨の強さ、薄い墨のにじみの美しさなどを 味わわせたい。そして、日本美術に目を向け、水墨画で大成した雪舟の作品を鑑賞し て、水墨画への関心を深めるとともに、いろいろな見方、感じ方のよさを認めていき たい。 （２）題材の意図と可能性 本題材では、墨のいろいろな技法をクイズ形式で知り、実際に新しく知った墨の技 法を試したり、自分で考えた技法を試したりしながら、墨で描くことを楽しむ。次に、 - 1 - 自分が試した技法や墨のよさを生かして絵を描く。そして、墨だけで描いた絵のおも しろさや、表現の意図を話し合い、水墨画で大成した雪舟の作品「秋冬山水画」を鑑 賞することで、水墨画に対する想いや見方、感じ方を深めていく学習である。まず、 墨を使って遊んだり、絵を描いたりすることで、墨の持つ濃淡の美しさ、薄めない墨 の強さ、薄い墨のにじみの美しさなどを感じ取らせていきたい。 本題材を指導するに当たり、第１次の活動場所は「多目的ホール」、第２次の活動 場所は「図工室」を設定した。 第 1 次では、墨を使って描くことを思いきり楽しませたいと思い、広いスペースが 確保できる「多目的ホール」を設定した。児童は、これまでに 4 つ切り以上の大きさ の紙に描いた経験がないので、大きな紙（90 ㎝× 180 ㎝）に気持ちのおもむくまま に描く楽しさを体験させたい。 第 2 次では、一人一人が墨と向き合い、自分の世界にひたれるように図工室を設定