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Mongolia ウランバートル郊外に移り住んだ 遊牧民のくらし ウランバートル市郊外に住む 広がるいくつもの小高い丘は、 ボルロちゃん一家 ゲルで埋め尽くされつつあり ます。電気がきていない家も 　ウランバートル市郊外、バヤンズルフ地区の小高い丘に住む あります。水は、トラックで ボルロちゃんは、11歳の女の子です。お兄さん、お姉さん3 運ばれてきた水を売るウォー 人と弟、妹4人の8人きょうだいで、お父さんとお母さん、おば ターキオスク（簡易給水施設） あちゃんをふくめて11人の大家族です。 というところへ買いに行かなけ 　ボルロちゃん一家は、６年前までは遊牧民でした。広々とし ればなりません。そしてそれは、子どもの仕事です。ボルロちゃ た草原。真っ青な空。果てしない大地。雨あがりの空にかかる んも時々、大きなポリタンクを持って水を買いに行きます。帰 美しい虹。ゆったりと草をはむ りの上り坂で、何回も休まなければならないほどの重さです。 放たれた羊と山羊の群れ。そ れがみんな、思い出になってし 新たな出発 まいました。おばあちゃんは、 ときどき懐かしそうにかなたに 　お父さんは材木を扱う仕事につきました。わずかな収入から 広がる草原を見つめています。 始まりましたが、工夫をして少しずつ収入を増やしてきました。 お父さんは、自分の手でゲルに替わるコンクリートの家を庭に 寒い冬が遊牧民を直撃 建てています。造り始めて4年になりますが、外側はだいたい 出来上がりました。もうすぐ完成です。野菜を育てるための温 　草原の夏は、昼間は30度近くまで気温が上がることがありま 室も造っています。 すが、夜は10度くらいに下がります。冬はマイナス30度以下、 　この地区では、1年前に歩いて行けるところに小学校がで 寒い冬はマイナス40度にもなります。 きたので、ボルロちゃんも 　ボルロちゃんがまだ小さい頃に、とっても寒い冬が2回あり、 学校に通えるようになりまし 飼っていた羊、山羊、馬などが半分くらい死んでしまいました。 た。いろいろ学び、友達もで それでも、お父さんは草原でがんばったのですが、収入が少な き、嬉しそうです。また、近所 くなり放牧をやめざるをえませんでした。ボルロちゃん一家は、 には、ゲル幼稚園が造られ、 草原を離れ、ウランバートル市郊外のこの地区に移住してきま もうすぐ始まります。弟のト した。住まいは、草原で使っていたゲルというフエルトで造ら ルガ君と妹のオユナちゃん れたテント状の家です。家畜を失った多くの遊牧民が、ボルロ は、幼稚園