冻霜害技术対策资料平成25年4月8日PDF：141KB.PDF

農業気象技術対策資料 凍 霜 害 技 術 対 策 資 料 平成25年４月８日 愛 媛 県 平成25年４月上中旬は、平年よりかなり気温が下がる予報が出ており、農作物への被害 が懸念されるため、適正な対策を講じる必要がある。 【霜害発生時の気象状態】･････”こんな時に霜害は起こる” ○大陸からの移動性高気圧が日本付近をおおい、大陸の寒気が南下した時。 ○夜間よく晴れ、しかも風が弱くなる時。 ○翌朝の予想最低気温が３～４℃の時、凍霜害の危険性がある。 ○夕方６時の乾湿温度計の湿球温度が８～９℃以下になると翌朝は３～４℃になりやすい。 １ 水 稲 （１）育苗期の低温害対策 水稲の育苗期における低温害は、 ○出芽や生育の不良 ○葉の白化現象 ○育苗後期のムレ苗の発生 など であり、保温や換気によって適切な温度管理をすることが大切である。 表１ 水稲育苗温度管理の目安 生 育 時 期 出 芽 期 緑 化 期 硬 化 期 日 数 ２～３日 ２～３日 １３～１５日 昼 間 ２０～２５℃ １５～２０℃ 目標温度 ３０℃ 夜 間 １５～２０℃ １０～１５℃ ①出芽の温度 水稲の出芽最適温は28～32℃で、低すぎると出芽遅れからカビの発生を助長する。 一方、30℃以上の高温ではイネ籾枯細菌病等の苗腐敗多発の原因となるので、出芽時 の気温は30℃程度を守るようにする。そのため、育苗センターでは、出芽室の温度が 偏らないように緩やかに撹拌するとともに、温度センサーの設置位置に注意する。 ②白化現象の防止 ア 苗の白化現象は出芽期の高温、緑化期の低温や急激な強光の組み合わせや高温等 によって葉緑素生成が阻害される現象で、水稲苗を出芽から緑化に移すときは、遮 光と保温により急激な強光や５℃以下の低温に当てないようにする。 イ 白化程度50％の苗では、活着 ・初期生育に多少の影響はあるものの減収はしない が、白化程度100％に近い苗では活着率30％以下となり、茎数 ・穂数の減少が著し く、かなりの減収となるので、このような苗は使用しない。 ③ムレ苗発生防止 ア ムレ苗は硬化期の低温が引き金になるが、育苗床土ｐＨの上昇や過湿及び酸素 不足等の要因が重なって発生することが多い。 イ 気温が５℃以下になると生育が抑制され、４℃以下に数時間遭遇するとムレ苗 が発生する。 ウ 育苗用土のｐＨは4.5～5に調整しておく。 エ 保温と換気により昼夜の温度差を少なくするとともに、５℃以下の低温にしな い。 オ 育苗床を必要以上に過湿にしない。 カ 育苗用土にタチガレエ－ス粉剤(６ｇ)等を混和する。 （２）本田での低温対策 ①移植の早限 ア 稚苗の移植可能最低気温は平均気温12.5℃である。 イ 水温10℃以下では生育が止まる。 ウ 気温３℃以下(降霜条件下)では移植後に地上部が枯死し、生育が大幅に遅れる ことがある。 エ 本県の温暖な地域でも、例年、３月下旬～４月上旬に低温の時期があり、４月 10日以降の田植えが望ましい。 ②早期水稲の田植え ア 田植えに際しては、前日から苗を放置して霜や寒風に当てることがないよう、 なるべく田植え当日に搬入する。やむをえず苗を前日から本田に搬入する場合は、 夜間はシート等で覆うか水田に漬けておく。 イ 田植え後はできる限りの深水にして低温に備える。 ウ 移植後、低温に遭遇して地上部が枯死することがあるが、活着や出穂、成熟期 は遅れるものの、ほとんどの場合回復して収量に影響