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粘土科学 第40巻 第4号 256-263(2001) - 土 基 礎 講 座 - 粘 座 フ グ プ 粘土 基 礎 講 座座 ー キン グ ルー 連載解説 粘土で造 る新素材 小 川 誠 科学技術振興 事業 団 「さきが け研 究21」お よび早稲 田大学教育学部 169-8050東京都 新宿 区西早稲 田1-6-1 e-mail:makoto@mn.waseda.acjp Novel Functional Materials from Clays Makoto OGAWA 1.は じめに 化学(biomimeticchemistry)と呼ぶ分野 も確立 した.例 えば植物が行 う光合成の反応 を人工的に 粘土は千の用途 を持つ素材 といわれ,古 くか ら 行 うことがで きれば,二酸化炭素か ら有機化合物 セラ ミックス原料な どとして非常に広 く利用 され を作 ることが可能 とな り,化石燃料 に頼 ってい る てお り,また猫砂や廃棄物処理 における利用な ど 物質科学が大 きく変わる可能性が期待 され るので 新 しい応用 も開けてきてい る.こ こではまだ実用 ある. 化 されてはいないが,次世代の材料 として粘土が このような考 え方 において重要なのは 目的の機 期待 され る分野 について,特 に粘土のもつ性質 を 能 を持つ化合物 を設計す る(分子設計)こ ととこ 利用 して粘土 に新 しい機能 を付与す る試みを紹介 れを適 当な形に並べ る(組織化)こ とである.後 す る. 者 において粘土の表面が有効 に利用できる可能性 近年エ レク トロニクス,フ ォ トニクスな どの分 がある.分子はナ ノメー トル(10-9メー トル)程 野では技術 の進歩 により素子の軽量,小型化が行 度の大 きさであ り,これ を操作 して個々の機能 を われてきた.し か しなが ら現行 の方法論では原理 利用できれば現行 の素子 を格段 に小型化できるこ 的にこれ以上の小型化 は困難 な状況にある.そ こ とが理解 できるであろう.粘土 は厚 さ1ナノメー で発想 を転換 し物質の構成単位 である分子や原子 トル程度の構造単位 を持 ち,そ の表面(粘 土の表 を操作 し素子 を作 ることが考 えられ始 めてい る. 面積 は1gあ た り数百平方 メー トル とい う極 めて このような発想 を基 にえられ る物質は,分子素子, 大 きなものである)には分子 を並べ ることがで き, 生物素子な どと呼ばれ,従来のテクノロジーでは 通常は水分子やナ トリウム,カ ルシウムイオンな 到底到達で きない機能 を持つ可能性がある.自然 どが存在 してい る.これ らを他 のイオンと置 き換 界では生物の営みそのものが さまざまな複雑 な反 える反応や電荷 を持たない分子が層間に侵入す る 応 を分子 レベルで有効 に行 うシステムを持 ってお 反応 はイ ンターカ