グレゴリー三角形パッチ-情报科学芸术大学院大学.docVIP

グレゴリー三角形パッチ 高桑昌男 国際情報化科学芸術アカデミー Gregory Triangular Patch Masao Takakuwa International Academy of Media Arts and Siences（IAMAS） アブストラクト  CAGD分野で、三角形パッチは、その形状表現の自由度、柔軟性において、四辺形パッチのそれより遥かに優れている事が指摘される一方、多くの応用では、本質的に四辺形パッチからの派生がインプリメントされるに止まっている。勿論、自動車設計などCAGDの初期応用が、必ずしも三角形パッチの導入動機となり得なかった事も現実である。が、根源的理由は、三角形パッチを構成するBézier三角形の持つ有り難くない特性にあると考えられる。 四辺形Bézier曲面の「内部制御点の変化は、隣接稜線に作用する?という特性は、 Bézier三角形ではそのまま、?制御点の変化がすべての稜線に作用する?という特性に変わる。このことが快適なデータ操作を行う上での妨げとなっていた。 本論文で、三角形パッチにGregory四辺形パッチにおける流れベクトルの概念を適用し、制御点変化がBézier曲線を構成する隣接稜線に影響しない自由曲面表現手法 － Gregory三角形パッチを提案する。  はじめに CAGD分野において自由曲面表現に用いられる代表的手法として、Bézier[2?3,4］,NURBS［10］,Coons[6.7],Gregory[5,8]パッチなどがある。これら手法は、いずれも四辺形パッチ形状を扱うものであり共通に次の問題を含んでいる。 頂点の追加/削除、メッシュの内挿操作を行う場合、メッシュ間の連続性を保持するため、隣接するu,v方向のすべてのメッシュに対し、追加/削除の手続きが必要となる。特に削除操作では、局所的な変更が曲面全体の形状に影響を及ぼすという問題が生じる。 三角形パッチ[4]を用いることで、この問題を容易に回避できる。三角形パッチに限らず三角形を基礎要素として構成される形状(三角形ポリゴンなど)は、各頂点の周りに任意数の三角形要素を構成し得る特徴を持つ。従って頂点や要素の追加/削除操作による形状への影響は局所的である。また三角形パッチの内挿は、四辺形のそれより単純である。 一方、三角形パッチを構成するBézier三角形は、四辺形パッチ以上に深刻な捩じれの問題を含んでいる。任意のBézier制御点の移動操作が、 Bézier三角形を構成する全稜線、隣接Bézier三角形の形状に影響する。 本論文で、四辺形パッチにおける、捩じれ問題の解決法 － Gregoryパッチと同様の手法 － 流れベクトルの概念を三角形パッチに適用し、各稜線を構成するBézier曲線操作が、他の稜線に影響を及ぼさない自由曲面表現 － Gregory三角形パッチを提案する。 Bézier三角形パッチ ｎ次のBézier三角形パッチは、制御点bijk(ｉ+j+ｋ=n)により定義され、図１のような三角形形状の制御ネットを形成する。 b030 b021 b120 b012 b111 b210 b003 b102 b201 b300 図１ ３次の制御ネット ｎ次Bézier三角形パッチにより形成される曲面上の任意の点bnは、u,v,w(u+v+w=1)をパラメータとする重心座標uが与えられた時、ド?カステリョのアルゴリズムと呼ばれる以下の公式を再帰的に実行することで求められる。 線形補間であるド?カステリョのアルゴリズムから求めた座標は、アフィン不変性が保証される。 ２変数のバースタイン多項式 を導入することで点bnは、次式より直接求める事ができる。 例えば、３次のBézier三角形パッチは、稜線上の３次Bézier曲線の制御点および、三角形の内部制御点から構成される。 図２ ３次三角形パッチの制御点構成 その結果、内部制御点(1.1.1)の操作は全ての稜線に捩じれを生じさせる。 Gregory四辺形パッチ 捩じれの問題は、 Bézier三角形パッチ同様にBézier四辺形パッチにおいても指摘されている。千代倉らは、Bézier曲面ではu,v方向に共有する内部制御点をu,v方向に独立に定義する手法 － Gregoryパッチ[5]を提案し、捩じれの問題を回避している（図３、図４）。  Bézier三角形パッチにおいても同様に、捩じれを回避する手段として、稜線に独立し