第131回火山喷火予知连络会产业技术总合研究所阿苏山2014年11.PDFVIP

第 131 回火山噴火予知連絡会 産業技術総合研究所 2014 年 11 月 26-27 日噴火マグマの岩石学的特徴と揮発性成分濃度 概要 ・2014年11月26-27 日に阿蘇中岳で噴出したスコリアの全岩化学組成、鉱物組み合わせ、 揮発性成分濃度は、1979年噴火スコリアと同様であり、2014年噴火は1979年噴火と同じ 化学的特徴を持つマグマによって引き起こされたと考えられる． ・マグマ中硫黄濃度（0.021wt.％）を考慮すると、3000t/d の SO 放出には 9 Mt/d のマグマ 2 の脱ガスを必要とする．この量は、放出されている火山灰の量の 100 倍に達する． 観察および分析結果 2014 年 11 月 26-27 日に噴出した阿蘇中岳の降下スコリア5 個（試料採取は気象庁と産 総研、試料番号 1127K-2, I141129S01, I141129S02, I141129S03, I141129S04）について蛍 光 X 線分析装置による全岩化学組成分析を行った．さらに ，スコリア 3 個（試料番号 I141129S01, I141129S02, I141129S03）について,走査電子顕微鏡による内部組織観察，電 子線マイクロアナライザーによる斑晶，石基内ガラス，石基バルク組成およびメルト包有物 の化学分析を行った． これらの観察および分析の結果は以下の通りである． １． 5 個のスコリアはほぼ同じ全岩化学組成を持ち，その組成は 1979 年 11 月噴火スコリ ア （小野・渡辺，1985）と同様である（表１，図 1）． ２． スコリアの内部は，多数の気泡（発泡度 50-77％），石基（ガラスと微小鉱物），2mm 以 下の斑晶（35-39％）で構成される （表２）．斑晶は，斜長石，単斜輝石，かんらん石，磁 鉄鉱で構成され，この鉱物組み合わせは，1979 年 11 月噴火スコリア （小野・渡辺， 1985）と同じである．上記１と２の結果から，2014 年噴火は 1979 年噴火と同じ化学的特 徴を持つマグマによって引き起こされたと考えられる． ３． 斜長石斑晶は，コア An62-91，リム An60-79 の組成を持つが，コア・リムとも An60-70 の組成が多い（図２ ）．単斜輝石斑晶は，コア Wo36-41En43-47Fs15-20 ，リム Wo36-40En42-46Fs17-19，かんらん石斑晶はコア Fo65-68，リム Fo59-68 の組成を示 す（図２）．石基バルクおよび石基内ガラスは安山岩組成（SiO2〜59wt.%）を持つ（表３， 図２）． 3 つのスコリアで斑晶，石基バルクおよび石基内ガラスの化学組成に大きな差 はみられず，同じ化学的特徴を持つ． ４． 斜方輝石を包有物として含む単斜輝石（普通輝石）に地質温度計（Lindsley,1983）を適 用し， 1113±51℃が得られた．従って，噴火マグマの温度はおおよそ 1100℃と考えら れる． ５． 斜長石内メルト包有物，単斜輝石内メルト包有物，かんらん石内メルト包有物（図３）の 阿蘇山 第 131 回火山噴火予知連絡会 産業技術総合研究所 主成分元素組成は石基バルク組成と同様であり（表３），噴火直前のマグマのメルト組 成を保持している．また，メルト包有物は硫黄 0.010-0.036wt.%，塩素0.069-0.086 wt.%， 水＜2wt.%，の揮発性成分濃度を持つ（表３，図４）．