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２次攻略のための１次知識 ⑧ モチベーション理論 ～組織構造編～ 主任講師 加藤 雄士 前回は、企業変革等のテーマを取り扱った。そこでは、企業変革を試みるときに、戦略 をたて、組織をつくり、人を動かす仕組みづくりをするという枠組みで実行していくこと などを確認した。その うち 「組織をつくる」ことが今回のメインテーマである。 企業の中で、その構成員は、効率をあげるために分業というスタイルをとる。そして分 業化された１人１人の仕事については、前もって計画化され、実際の仕事の都度、フィー ドバックされる情報をもとに、調整される。このように分業化され、調整されることで組 織化される （「管理サイクル」も想起していただきたい）。あるいは、構造や形態によらず とも、価値観やものの見方などを共有化することによっても組織化できる （バーナードの 公式組織の理論なども想起していただきたい）。 また、どのような組織構造、あるいはどのような組織形態にする と一番業績が上がるの か、あるいは、立案した経営戦略を実行できるのか、また、あるべき経営戦略を創発でき るのか。こうした点について考えていく必要がある。 過去の本試験問題でも「組織的要因について述べよ」と問われたことがある。このよう に組織的要因と問われたときに、どのような観点から答えるべきか。その答え方には何種 類かあると考えられる。組織とは、非常に多面的な概念である。しっかりと考えていただ きたい。 ４１ ハーズバーグの動機づけ・衛生理論について、動機づけ要因と衛生要因を列挙せよ。 満足要因（動機づけ要因）としては、達成・承認・仕事そのもの･仕事の責任・昇進など を挙げることができる。また、不満足要因（衛生要因）としては、経営政策・監督技術・ 給与・人間関係・職場環境などを挙げることができる。この理論から、業務を通じて自己 成長を促す 「職務充実」の概念を提唱した。職務充実とは、職務を垂直方向に伸ばしてい き、キャリアアップを図る考え方である。他方、水平方向にキャリアを広げる 「職務拡大」 （アージリスによる提唱）もモチベーションアップにつながると考えられる。職務拡大、 職務充実とも非金銭的報奨になると考えられるし、また、能力開発の手段とも考えられる。 下線部を引いた箇所をしっかりと掴んでおいて欲しい。 ４2 ＱＷＬ（労働生活の質的向上を進める諸施策）の例をいくつか列挙しなさい。 ① 職務再設計:職務充実、職務拡大、ジョブローテーション ② 自律的集団活動:小集団活動（ＱＣサークルなど） ③ 経営参加:労使協議制、青年重役制、従業員持株制 どのような場面で、どの施策が提案できるかを考え、必要なときに必要な提案ができる 1 ＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝ ＊無断転載を禁じます 日本マンパワー『中小企業診断士受験ニュース』第56 号 exam-info-shin2006.6.8 ２次攻略のための１次知識 ⑧ モチベーション理論 ～組織構造編～ 主任講師 加藤 雄士 ようにしておいて欲しい。例えば、2001 年事例Ⅰのように同族企業の管理職員のモラール 向上に提案できるものはどれであろうか。ご自身の頭で考えていただきたい。 ４3 組織内における個々人の葛藤（コンフリクト）の解消やモラール（士気）向上のため の施策を列挙しなさい。 ①労使協議制、②職場懇談会、③苦情処理制度、④カウンセリング、⑤社内報、⑥自己 申告制度、⑧目標管理制度、⑨