北海道朝日炭砿坑内水.pdfVIP

556．31；553．9（524）3543 北海道朝日炭砿の坑内水について 狛　　武＊　根本　隆文＊＊　上　島　宏＊＊ Geo曲e細c朗S細岨量es　o聰M量鵬W魏ers亜臨e 　　　As麟量Co謡M量聰e，闘磁肱輔o’ By Abstract Iwamizawa　city，Hokkaido． posed　to　be　that　ofmarine　water　origin。　　I tions． 要　　旨 1旨緒　言・ 　本報告は，北海道朝目炭砿坑内における坑内水および 　炭砿で坑道掘進の際，《突如として湧水を見，坑道や切 泥質岩中の水溶性塩素を調査し，坑内水の分類を行なっ 羽などの使用，を不能にし，経済的損失を招くことがしば た結果を述べたものである． レばある』今後さら14』採炭箇所の深部移行に伴い，湧 　朝目層中の弛下水にはCl一に比較してNa＋およびCa2＋ 水も多くなることが考えられる．筆者らほ湧水を経済的 ／Mg2＋の多い地下水と，crと相関関係にある地下水とに処理するために，，湧水の性質，流路を究明する必要か がある． ら，朝目炭砿の坑内水の地球化学的調査研究を行なっ た．その結果，朝目層からの湧出地下水に含有するC1一 　前者は塩素量が少なく（1，000mg／」未満）淡水起源の 化石水と推定され，Na＋一HCOゴ型を示し，炭層の厚い 地区に，また，後者は塩素量が多く（1，000～13，000mgμ） 淡の変化が大きいことが明らかとなった．さらに海水中 海水起源の化石水と推定され，Na七Cl一型を示し，炭層に多く含有しているCl一は，淡水環境で堆積したと考え の薄い地区にそれぞれ多く湧出していることが観察され られている炭層の発達している所で少なく，炭層の貧薄 る． 化している所に多いのではないかと考え，湧水中のCヒ 　朝日炭砿の坑内水は化学組成から次のように分類する 量および泥質岩中の水溶性塩素量と，炭層の厚さを比較 ことができる． 検討した．現地調査に当たり御協力いただいた，朝日砿 1） 地表からの浸透水 株式会社朝目鉱業所，大江譲氏ほか関係各位に対し深く 2） 川端層中の水 感謝の意を表する． 3） 朝目層中の水で淡水起源の化石水 4） 2．位置および地質（佐々ほか，1965） 朝目層中の水で海水起源の化石水 5） 払跡および坑道に流れている水 　朝日炭砿は国鉄万字線朝目駅西方約0・5km，幌向川の 北岸に位置している．付近の地質は，東に古第三紀の幌 内層，西に新第三紀中新世の川端層が分布し，その間に ＊技術部 ＊＊北海道支所 主要爽炭層の朝目層が分布している．炭層の走向はほぼ 29一（245） 地質調査所月報（第24巻第4号