琉球王国交易惯行半印勘合暦中心.pdfVIP

琉球王国の交易と慣行～半印勘合と暦を中心に～ 2006.8.29(Tue) 於.小樽商科大学札幌サテライト 岡本 弘道（大阪大学等非常勤講師） １．琉球の符文・執照に附された半印勘合[岡本 2001] ・明朝の「勘合」…朝貢勘合、朝貢国・勢力に給付→使節の照合 日本・暹羅等、海外の15 カ国に給付／内陸向けの「符勅勘合」 ・琉球の「半印勘合」…琉球から派遣される使節に給付→使節の管理？ 『宝案』初出は宣徳三年(1428)[史料１]…尚巴志即位当初から使われていた可能性？ 半印勘合字号の一覧[表１]…尚寧までは国王一代で一字号 正徳期の一覧[表２] …中国向けには符文・執照に各一号／朝鮮・東南アジア向けには勘合一号 →日本向けの使節には？ ※中国・朝鮮・東南アジア←→対日本の和文文書 「使節」の管理統制機能？… 王権と「使節」との関係は？ 琉球側でしか管理できない―「半印勘合」の機能 「使節」以外の往来船はどう扱っていたか？ ２．琉球の暦 ・ 「奉正朔」：中国に対する恭順―従属関係を示す ・大統暦（明）→時憲書（清）：琉球に対しては毎年百本を下賜[図１] 「正統参年大統暦壹百本内黄綾面壹本」 福州で作成・受領→琉球への到来するまで、一般に半年程度が経過 ※年号のずれ…例えば洪煕二年付の咨文 ←新帝即位、改元の情報の遅延 ・「選日通書」：17 世紀後半～、暦通事により作成[史料２・３・４][図２] 時憲書到来までのつなぎとして通用、到来と共に切り替える…実際には？ ・ 「薩摩暦」との併用？[大谷 2001] ＝本当？とすれば、どのように使い分けていたのか？用途／範囲 【参考文献】 大谷光男 2001 「時憲暦の暦注について（琉球）―大清乾隆二十七年選日通書（国立国会図書館蔵）」小 林春樹編『東アジアの天文・暦学に関する多角的研究』大東文科大学東洋研究所 岡本弘道 2001 「琉球王国の半印勘合と明朝の朝貢勘合との関係について」『第八回琉中歴史関係国際学 術会議論文集』琉球中国関係国際学術会議 原田禹雄訳注 2003 『周煌 琉球国志略』榕樹書林 【参考資料】 史料１：宣徳三年(1428)、中山王から旧港（パレンバン）へ赴く頭目實達魯等に発給された執照 琉球國中山王、爲船隻事。宣德三年九月内、拠王相懐機呈称、 「有本國頭目實達魯等告称、『欲便駕使 海船一隻、装載磁噐等貨、前徃舊港買賣』。未敢擅便。縁無文憑、誠恐所在官司盤阻不便。告乞施行」。 准此。王府除外、今給義字七十七号半印勘合執照、給付本人等、収執前去。如遇経過關津把隘去處、及 沿海巡哨官軍驗實、即便放行、毋得留難不便。所有執照、須至出給者。 今開： 宣德三年(1428)九月二十四日 執照 表１：琉球の「半印勘合」における字号 字号 発給期間 国王治世 義字 77 1428(宣徳 3) 尚巴志 地字 121～192 1467(成化 3)～1476(成化 12) 尚徳・尚円 玄字 2～240 1477(成化 13)～1526(嘉靖 5) 尚真 黄字 4～73 1529(嘉靖 8)～1555(嘉靖 34) 尚清 宇字 2～44 1557(嘉靖 36)～1572(隆慶 6) 尚元 宙字 3～39 1573(隆慶 7)～1588(万暦 16) 尚永 洪字 2～70 1589(万暦 17)～1619(万暦 47) 尚寧 仁字 4～75