足球风云日文同人文6ファイナルディスティネーション.docVIP

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足球风云日文同人文6ファイナルディスティネーション

────どうしてそんなに好きなの? だって、あの人を好きにならないほうがおかしいよ? あの動き。あの目! どこにいたって視線をクギづけさ。 みてるだけで夢中になる。 自分だけがとくべつじゃないぜ。いいわけするみたいだけど。 どれでもいいから掛川の試合のビデオをみりゃわかるって。カメラがとらえるのは、いつでも、まずあの人だ。 ボールがわたってないときでもカメラはあの人を追ってる。 あの人なら、なにかやってくれるから。 奇跡をおこしてくれるから。 みてるだけで、心をうばわれる。 そこにいるだけで、目がはなせないんだよ。 大勢の人でごったがえす空港の広い出発ロビーのなかでもその人はすぐにみつけだせた。 神谷さん。 荷物をかかえてウロウロしてる。 俺はロビーをみおろすフロアからいっきに階段をかけおりて、人をかきわけ全力ではしった。 息せき切ってたどりつくと、神谷さんは声をかけるまえに気づいてふりかえり。 照れたようにわらった。 「馬堀」 「神谷さん」 すこしはおどろいた顔をしてくれてもいいのに。「どこいってたんですか、マネージメントの人さがしてましたよ」 「迷った」 「空港はじめてじゃないでしょーが」 神谷さんは顔をしかめた。「ウルサイなお前。小姑みたいだぜ」 「神谷さぁん!!」 「冗談だよ」 手をのばして俺の口をふさいで、神谷さんはそのまま手首の時計をみた。 「馬堀」 「ナンですか?」 俺は背中がぞくぞくした。 神谷さんのその声は、すこし調子がちがっていた。 わかってる。気づいてる。俺が神谷さんにいいたいことがあるってことに。そのために他の連中との待ち合わせ時刻より早くでてきたことに。 「見おくりにしては、ちょいと早く来すぎじゃねーの、お前」 「用心深いんです、俺。神谷さんとちがって」 そういいながら俺は神谷さんの表情をうかがう。神谷さんはすでに心ここにあらずって顔をしてる。 心はもうイタリアにいってしまってるんだろうか。 イタリアよりもっと遠い世界にいってしまってるんだろうか。 「いつかは掛高サッカー部を卒業していくんだとおもってたのに、神谷さんは卒業しないでいってしまうんですね」 俺はかがんで、神谷さんが足元においた荷物をもちあげながらつぶやいた。 「馬堀……」 身体をおこして、俺は正面から神谷さんをみた。「いつかは久保さんのことも卒業してくれるってしんじてたのに。とうとう卒業しないで、そのままもっていってしまうんだ。そうなんでしょう? 神谷さん」 「馬堀…………馬堀」 手がふるえて荷物がすべりおちた。 ドサッという鈍い音が靴底にひびいた。 神谷さんは困惑してる。 もてあましてるみたいなその顔をもっと困らせてやりたくて、 俺はガバッと腕をひろげていきなり神谷さんを抱きしめた。 ここはフィールドの上じゃない。 俺はパスをもらってゴールを決めたところじゃない。 神谷さんの身体はいっしゅんビクッとこわばり。 それからリラックスして俺をうけとめた。 畜生。3センチメートルの差がこんなに遠い。 これじゃ抱きしめてるのは俺じゃなくて神谷さんのほうだ。 神谷さんは左腕を俺の背中にまわしてギュッとひきよせ、 右手を首にまわして、 なだめるようにやさしく何度も俺の頭をなでた。 そのやさしさで、俺は泣けた。 つきとばしてくれたほうがまだマシだ。 どこからどうみても、甘ったれの後輩となぐさめてる先輩の構図じゃないか。 声を上げて泣きたいぐらいだった。 「馬堀。すまない」 「なんであやまるんですか神谷さん」 あやまるのは俺のほうなのに。 「うけとめてやれなくて………すまない」 俺は背筋がさむくなった。 だれにいってるんですか神谷さん。 そんなふうにやわらかく甘く話す声を俺はきいたことがない。 言葉は俺にむけられてるのに、 声はどこか別の方角に話しかけてるみたいだ。 俺は身をかたくし、腕をつっぱって神谷さんの抱擁からぬけでた。 どこをみてるんですか神谷さん。 神谷さんの視線は俺をつきぬけてどこか遠くをみている。 俺の背後にだれがいるんですか。 どうして俺をみてくれないんですか。 もどかしくて、くるしくてせつなくて、 俺は神谷さんの肩をつかんでゆすぶった。 どうしてそんなに好きなの? 電話の声が耳によみがえる。 だって、好きにならないほうがおかしいでしょ? 妹サン。 私のお兄ちゃんだもんね。そんなの当たり前よ。 じゃあなんできくワケ? どうして好きなのか、ってきいたんじゃないわよ馬堀先輩。 どうして、そんなに好きなの、ってきいたんです。 神谷さんは俺の手をみてから、俺に視線をもどした。 「も

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