明治初期测量史试论-J-Stage.PDF

明治初期測量史試論(佐 藤 ・師橋) 25 表11海 軍測量関係組織変遷表 明治初期測量史試論 ―伊能忠敬か ら近代測量の確立まで― 4 佐 藤 イ光* 師 橋 辰 夫紳 第3章 第3節 海軍省(Vol.16No.1で省略した分を掲載する) 総 説 前期 においては戊辰戦争遂行のため,各藩が藩所有 の軍船 を必要に応 じて運営 していて,い まだ,一 つの 集 りとしての態 をな さなかった。 しか し,明治元年10月に,大村益次郎を軍務官副知 事 に任 じて,海 陸の軍制確立 を進め させ,11月には築 地浜離宮 に海軍所 を設 ける達 しが出 された。12月に 肥前 の中牟 田倉之助,石 井霜吉,直 塚伝太外6名 が海 軍士官 にな り,軍務局 に勤務 したが,こ の海軍所 に詰 めたか どうかは判然 としない。あるいは海軍天覧 に当 っての立 ち寄 り場所 とした ものに過 ぎなかった とも考 えられ る。 翌2年 正月,鹿児 島藩士伊地知正治は海軍局 の創設 を建議 し,また,函館戦に軍務官権判事増 田明道 は軍 艦4隻。を率いて参加 し,やや海軍 としての形 を整 えた。 9月,海軍操練所 を築地 に設け,さ らに,兵 部省 は 集議院に兵制,規 律,軍 艦銃器等が確立 していないこ とか ら海陸軍興張案 を諮詞 した。 この後,各 藩は所有 秘吏局,軍務局,造船局,水路局,会計局,兵学寮,軍医 の軍艦 を乗組員共献上 を行い,3年2月 に兵部省内に 寮,糺 問司,造兵司(以上の3機関は陸軍 と共有),造船 司,武庫司(陸軍と共有),水路司,水兵部,提督府 海 軍掛が分立 した時には次の軍艦を所有 していた。 以上の うち,水路司は名ぼか りで実際には設置 され 春 日(薩摩),竜驤(熊本),第一丁卯,第二丁卯(以上山 口),日進(佐賀),甲鉄(購入,後東 と改名),乾行(薩 なかった。 摩),富士山,千代田形,行速(以上静岡),飛竜(柳河) 水路局 は長 に海軍少将があた り,水路測量浮桶瀬 印 さらに,翌年,佐 賀藩 は孟春 を山 口藩は雲揚,鳳 翔 お よび灯明台の事務 を管 した。11月に海 軍親 閲があ を献上 した。 り,さ らに横須賀造船所行幸の さい,軍艦 を2隊 に分 これ よ り先,2月に海軍掛 は浜離宮に海軍所 を設け, けて演習が行なわれた。その時参加 した軍艦 は第1艦 海軍事務 を始め,軍艦,運 輸船,各 藩船艦,海 軍操練 隊は春 日,第一丁卯,孟 春,竜駿,筑 波,第2艦 隊甲 所,海 軍用所 の外,海 軍 に関す る一切の事務 を取扱 う 鉄,第 二丁卯,鳳 翔,日 進,千 代 田形 の10艦であっ こととした。ついで,海軍掛 の課員 を上 申し,兵部大 た。 この外 に富士 山,東,雲 揚な どがあった。 丞河村純義,兵部少丞増 田明道,兵 部権少丞石井霜吉 5年2月,兵 部省を廃 し,陸海軍2省 を置 き,海軍 が担 当になった。 省 は海軍武官及び兵学寮 を管 し,10月に次の局寮司に 閨10月,築地名古屋藩邸跡 に海軍所 を浜離宮 よ り移 改 めた。 した。11月,海軍操練所を海軍兵学寮 と改 め,これに 本省 秘史局,軍務局,会計局 二等寮 主船寮,水路寮,兵学寮,軍医寮 伴い,大