年4月5日金融审议会ーー.pdfVIP

SHINKIN SHINKIN CENTRAL CENTRAL S C B BANK S C B BANK 金融調査情報 総合研究所 海外経済調査レポート １９－３ 〒104-0031 東京都中央区京橋 3-8-1 Ｎｏ．１１ TEL.03-3563-7541 FAX.03-3563-7551 （２００７．５．１６） URL http://www.scbri.jp ２０００．１０ う 恒久的な地域密着型金融推進時代の信用金庫の取組課題 －目利き機能を活かした取引先企業支援と地域再生に選択と集中を－ 視点 2007 年４月５日に金融審議会のワーキンググループにより、「地域密着型金融の取組みに ついての評価と今後の対応について」と題する報告書が公表された。報告書は、過去４年間 の地域金融機関の地域密着型金融への取組みを検討し、今後の取組みと推進体制への考え方 を示した。そこで、本稿ではまず、これまでの取組実績に基づき、信用金庫など４業態によ る地域密着型金融への取組実績を分析する。それを踏まえて、報告書の示す今後の取組みの 方向性を、前回の「地域密着型金融の機能強化の推進に関するアクションプログラム」の内 容と比較しながら検討し、今後、信用金庫が推進すべき取組みについて考えることとする。 要旨 • 前回のアクションプログラムの項目別実績を業態別に、件数・金額の大小で分け、2006 年 度上期（年率）の 2005 年度に対する増減で分けて４分類すると、創業等支援融資商品によ る融資とビジネスマッチングの成約案件が４業態とも件数・金額が大きくかつ増加傾向で あり、今後の取組みが期待される。また、４業態中３業態で件数・金額が小さいが増加傾 向である新連携事業に対する支援やＭ＆Ａ支援も期待され、件数・金額が大きいが減少傾 向である動産・債権譲渡担保融資も、売掛債権担保以外への取組みの拡大が期待される。 • ワーキンググループの報告書は、中小企業再生支援協議会の一層の活用による事業再生や、 地域でのＭ＆Ａ支援、創業・新事業支援における産学官連携でのリーダーシップの発揮、 動産・債権譲渡担保融資への取組み、公民連携による地域の面的再生、リバースモーゲー ジや多重債務者問題解決への取組みなどにも期待している。 • 信用金庫は、上記のような期待される取組項目のほか、増加傾向のＤＩＰファイナンスな ども活用して、今後も事業再生に取り組む必要がある。一方、ＤＥＳとＤＤＳの手法や、 件数・金額が小さく減少傾向にある項目の中には、従来どおり、取引先の身の丈に合わせ、 必要に応じて取り組んでいけばよいものもあると考えられる。 キーワード 地域密着型金融 恒久的枠組み 監督指針 目利き機能 ライフサイクル 面的再生 ©信金中央金庫 総合研究所 目次 はじめに １．地域金融機関の地域密着型金融への取組実績 （１）地方銀行から信用組合まで地域密着型金融の取組実績には大きな差 （２）実施状況に特徴ある取組項目 （３）地域密着型金融の推進で進展した地域金融機関の財務体質改善 ２．金融システムの平時移行に対応した地域密着型金融への恒久的取組み （１）緊急時の時限的取組みから平時の恒久的取組みへ （２）監督指針に今回新たに盛り込まれる内容の方向性 （３）地域密着型金融の恒久的推進課題３項目の具体的内容 ３．信用金庫の取組状況と今後も推進すべき取組内容 おわりに はじめに