作业学习指导事例.pdfVIP

Ⅷ 作業学習の指導事例 作業学習の意義と目標 特殊学級（知的障害）の教育においては，作業学習や技術・家庭科の指導を行ったとしても，それ が，直ちに将来の進路に直結するのもではなく，むしろ，職業生活をするのに必要な，一般的な知識， 技能及び態度を身に付けることをねらいとしています。例えば，作業学習として木工を取り上げ，整 理箱や花台を製作したとしても，必ず木工場に勤務することを意図して指導しているわけではありま せん。このことは，農業や工業に関する作業を行っても同じことです。 作業学習の目標としては，「職業生活及び家庭生活に必要な基礎的，基本的知識，技能を身に付ける とともに，勤労を重んずる態度を養い，進んで社会生活に参加していく能力を培う」ということにな ります。 作業学習の共通目標と目標設定に際しての観点は，次のとおりです。 〔目 標〕 ① 各作業を通して，勤労の尊さや喜びを感じる。 ② 仕事を通して，責任感や協調性を高める。 ③ 技能の向上を図るとともに，根気強く働く習慣を身に付ける。 ④ 安全と衛生に留意し，よい品質を保つ努力をする。 〔観 点〕 ・ 作業態度及び習慣の形成に関するもの 自主性（意欲），持続力（根気強さ），責任感，集中力，協調性，注意力，安全性 ち 判断力，経済性，洞察力，確実性（正直さ），成功感，計画性，成就感，緻密性 しょう 礼儀，敏捷性，清潔さ，創造性（工夫），整理・整とん ・ 作業等に必要な知識及び技能の獲得に関するもの 身辺処理，指示理解，約束（規則，規律）の理解と順序，道具の名称・使い方 時間の整理と活用，時間の理解と順序，機械の名称・使い方，数の処理，用語の理解 作業種目選定の要件 「作業学習の手引き （文部省）」によれば，作業学習は次のような要件を備えることが望ましいとさ れています。 ① 生徒にとって教育的価値の高い作業活動を含んでいること。 ② 地域性に立脚したものであること。 ③ 生徒の実態に応じた段階的な指導ができるものであること。 ④ 障害の実態が多様な生徒に応じて取り組める作業活動が用意されていること。 ⑤ 共同して進める作業活動が含まれていること。 ⑥ 作業活動に参加する喜びや完成の成就感が味わえること。 ⑦ 作業内容が安全で健康的であること。 ⑧ 原料や材料が入手しやすく，永続性のあるものであること。 ⑨ 作業量や作業形態，実習期間など適切な配慮がなされていること。 ⑩ 生産から消費への流れが理解されやすいものであること。 ⑪ 製品の利用価値が高いものであること。 等 さらに，学級の規模や生徒の人数，能力・特性，教育課程における作業学習の占める割合，施設・ 設備，地域の産業及び保護者の理解等により作業種目を選定します。 - 122 - 年間計画の立案 作業学習の年間計画は，立案から販売や発表会の企画などそれぞれの学級の実態に合わせて作成し ます。なお，立案に際しては，作業種目に応じて下図の過程を参考にしてしてください。 ＜委託作業を主体としたの場合の展開＞ 計 作 作 製 作 品 工場見学 反 画 業 業 質 製品の 就業体験 立 手 の ・工場部品 管 （製品の 案 順 習 の製作 理 発 送 利用状況 得 を見る） 省 製作のやり直し 次年度の計画に反省を生かす ＜製品づく