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科学技術と博物館の役割 2005年7月 交通博物館 菅　建彦 人はなぜ博物館に行くのか？ • 人間は神=造物主ではないからである • 人間にとって確かな真実は過去にしかない • 人間は無から何かを造ることはできない • 最先端の自然科学も、宇宙の生成から今日までの 変化の過程=歴史を読み解いているだけである 人は常に歴史から何かを学ぶ • 歴史の中に無限の教訓と創造の糧がある • 歴史はしばしば繰り返す • 見え易い過去と見え難い過去がある • 過去をより良く理解するために記憶装置が必 要である 博物館は社会の記憶装置 の一つである • 文明社会は必ず記憶装置を持っている • 記憶装置=博物館の水準は文明社会の到達 点を示す指標といえる • 優れた文明社会は必ず優れた記憶装置=博 物館を持っている 科学技術にとっての博物館 • 特徴：人間は　homo faber とも呼ばれる • Homo faber の活動史を記録する博物館= 科学技術博物館または産業技術史博物館 • 科学技術の最先端を、一般の人々や青少年 に理解させる博物館=science centre • 宇宙と自然界の歴史を記録する博物館= 自 然史博物館=natural history museum 博物館の使命による資料の違い 高安礼士「理工系博物館」による（新版博物館学講座3現代博物館論所収、雄山閣出版2000） 科学技術博物館の守備範囲 高安礼士「理工系博物館」（新版博物館学講座3現代博物館論所収、雄山閣出版2000） 鉄道技術における歴史の繰り返し1 動力を車上で作る蒸気機関車の出力は機関車の大きさで決まる 小さい機関車から大出力を得ることは難しい 鉄道技術における歴史の繰り返し2 大出力を得るために用いられた地上据え置き機関 鉄道技術における歴史の繰り返し3 天才技師ブルネルによる解決方法 超広軌鉄道による機関車大型化・大気圧鉄道=外部動力 鉄道技術における歴史の繰り返し4 鉄道電化は動力の外部化 鉄道技術における歴史の繰り返し5 ヒトラーの超広軌鉄道構想 鉄道技術における歴史の繰り返し6 スイスメトロ構想（真空チューブ鉄道）とリニア新幹線 海外の科学技術・交通博物館　1 Science Museum, London 海外の科学技術・交通博物館　2 National Railway Museum, York 海外の科学技術・交通博物館　３ London’s Transport Museum 海外の科学技術・交通博物館　4 North of England Open Air Museum, Beamish 海外の科学技術・交通博物館　5 Steam: Museum of the Great Western Railway 海外の産業技術史・交通博物館　6 Heritage Railways （保存鉄道）の一例 Norrth Yorkshire Moors Railway 海外の科学技術・交通博物館7 Deutsches Museum 海外の科学技術・交通博物館8 Deutsches Technikmuseum Berlin 海外の科学技術・交通博物館9 DB Museum Nürnberg 海外の科学技術・交通博物館10 Verkehrshaus der Schweiz, Luzern 海外の科学技術・交通博物館11 Le Muséedes Arts et Métiers, Paris 海外の科学技術・交通博物館12 Cité des Sciences et de l’Industrie, Paris 海外の科学技術・交通博物館13 Cité du Train: Musée Nationale du