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建築骨組解析 ３章 3 章 ラーメンの応力解析 3.1 ラーメンの応力解析の基本的考え方 実際の鉄筋コンクリート（RC ）構造や鉄骨構造は、梁と柱の接合部分が一体に作られているラ ーメン構造が一般的である。ラーメン構造は、柱・梁の節点を回転させると、その節点に集ま っている梁も柱も回転角（たわみ角）を起こす。この性質を利用して、連続梁と全く同じ様な 方法で、ラーメン骨組の応力を計算することができる。 基本事項 節点に集まる固定端モーメントと外力が 釣り合っているとき、節点には回転は起こ M らない。 (1) 不釣合モーメン ト 一方、これらが釣り合わないときは回転を 起こそうとする。これ（外力－固定端モー メント）を不釣合モーメントという。 (2) 分配モーメント 不釣合モーメントは、節点の各部材に剛比 の比率で分配される。 図3.1 (3) 到達モーメント 節点で分配された材端モーメントの 1/2 が もう一方の材端にも生じる。 3-1 建築骨組解析 ３章 3.2 鉛直荷重を受けるラーメン 鉛直荷重を受ける様々なラーメンについて、応力解析を行って、梁や柱の断面やスパン（剛比） が変化するときに、骨組にどのような応力が生じるか調べてみよう。 (1) 柱と梁の剛比が梁応力に及ぼす影響 60cm 40cm 図のような、1 層 1 スパンラーメンの鉛直荷重に対する応力を求め 60cm 60cm てみよう。構造解析では、柱や梁のように長細い部材を線材といい、 柱の断面 梁の断面 その断面の中心を通るような線で表現して、構造解析を行う。 1 章で学んだように、RC 造建物には、自重と積載荷重をあわせると 平均的に 12kN/m2 （1m2 あたり 1.2t の質量）程度の鉛直荷重が作用 4m している。柱の自重は直接柱に作用するが、その他の床や壁、梁の 自重や家具などの積載荷重は、まず梁に作用して梁のせん断力とし て、柱に伝わっていく。 4m 図の骨組では、梁が支える鉛直荷重は、柱の自重を除いて 10kN/m2 60 kN/m とする。梁が支える床の幅が直交方向に 6m であるとし、その荷重 が梁に均等に作用するとすれば、等分布荷重w は、 A B w 10kN m2 6m 60 kN m C D となる。柱と梁の断面はそれぞれ60cm 角と40cm ×60cm、スパンは それぞれ4m と6m なので、剛比は以下となる。 図3.2 3 3 CA AC AB 0.6 0.6 0.4 0.6 k