地下水使用合理化指针-菊池.PDFVIP

「地下水の合理的な使用の促進に関する指針 （地下水使用合理化指針）」 はじめに ※ 本県では、生活用水の約８割が地下水を水源としており、特に熊本地域 において は、生活用水のほとんどを地下水に依存している。 地下水は、自然の水循環と人為的な水循環の巧みな組合せによって成り立っており、 現在も、森林の整備保全や水田耕作をはじめ、様々な水源涵養の取組によって守られ ている。 しかしながら、阿蘇外輪山西麓の台地部等で地下水位が長期的に低下傾向を示すと ともに、熊本地域や荒尾地域などで硝酸性窒素等の汚染が散見されるなど、近年、地 下水の水量 ・水質両面の課題が生じている。 地下水採取量については、水田等農地面積の減少や工業用水の合理化等によって全 県的に減少傾向にあるが、生活用水等に利用される水道用水の採取量はほぼ横ばいの 状態である。 また、市街地の進展や宅地造成等による涵養域（水田、畑地等）の減少により地下 水涵養量が減少し、地下水位の長期的な低下傾向の要因となっている。 このような地下水を取り巻く状況を背景とし、本県の宝である地下水を将来にわた り守り継いでいくために、地下水涵養対策により地下水の涵養量を増加させるととも に、節水や水利用の合理化による地下水採取量の抑制（以下「地下水使用合理化」と いう。）をより一層促進していく必要がある。そのためには、地下水を採取する者だけ でなく、地下水を利用する者がそれぞれの役割を認識し、地下水使用合理化に取り組 むことが重要である。 特に、熊本県地下水保全条例（以下「条例」という。）第２５条の３第１項及び第２ ７条の２第１項に基づき地下水採取に関し県知事の許可を要する者（以下「許可採取 者」という。）は、揚水設備の規模により相当量の地下水採取が可能となることから、 許可採取者による地下水使用合理化の取組を促進していくことが重要である。 この指針は、このような認識の下に、条例第３２条の２の規定に基づき、地下水使 用合理化を総合的かつ計画的に促進するため、必要な事項を定めるものである。 ※熊本地域とは、熊本市、菊池市（旧泗水町、旧旭志村の区域に限る）、宇土市、合志市、大津町、 菊陽町、西原村、御船町、嘉島町、益城町、甲佐町の 11 市町村からなる地域をいう。 第１ 地下水使用合理化の促進の基本的な考え方 地下水の水量保全を図るためには、健全な水循環を将来にわたり維持することが 必要である。そのためには、地下水を採取する者だけでなく、地下水を利用する者 全てが、地下水は「公共水」であるとの認識に立ち、未然防止の観点から、連携・ 協働して、それぞれの地下水の使用形態の特性に応じて、必要な地下水使用合理化 に係る措置を主体的かつ計画的に講じる必要がある。 1 第２ 許可採取者による地下水使用合理化の取組 １ 許可採取者による地下水使用合理化の実施に関する基本的方向 地下水量の保全を図るため、条例第３２条の４に基づき地下水使用合理化に取 り組むことが義務付けられている許可採取者は、第１の基本的な考え方を踏まえ、 自らの判断に基づき、地下水の使用形態の特性に応じた地下水使用合理化の方策 を適切に選択する必要がある。また、許可採取者は、実施した地下水使用合理化 の措置の効果を適切に評価し、必要な場合は、更に地下水使用合理化に取り組む ものとする。 許可採取者が地下水使用合理化を行うに当たっての基本的方向を、次のとおり とする。 《基本的方向》 許可採取者が地下水使用合理化を行うに当たっては、事業に必要となる適正 な地下水量を算出するとともに、水量測定器の設置等により地下水採取量を正 確に把握し、不必要な地下水採取の抑制に取り組むものとする。 更に、許可採取者は、不必要な地下水採取の抑制に加え、最適な地下水使用 合理化の方策を選択するものとする。 具体的には、許可採取者は、採取した地下水の用途に応じて、水量調節等の いっすい 機械化及び設備の保