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地形-中野区.PDF

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第2章 哲学堂公園の沿革と庭園構成 (2)地形 哲学堂公園は、台地上の「中央庭園」から妙正寺川まで、高低差に変化をもった地形である。 哲学堂公園が位置する中野区は、武蔵野台地の中央にあり、江古田川、妙正寺川、旧桃園川、 神田川、善福寺川の5つの川によって、沼袋、野方、中野、幡ヶ谷、落合の5つの小台地に分 けられる。台地面では標高約40 メートルあり、神田川の流域などでは標高30 メートル以下と なっている。このうち哲学堂公園は、落合台地から妙正寺川までの斜面地を含んだ複雑な地形 にある。 哲学堂公園北側の 「中央庭園」は、標高38m付近で広がりをもち、周囲を見渡すことができ る場所である。さらに、哲学堂公園を地形の状況から、「台地上の中央庭園」(時空岡)、「妙正 寺川に面した斜面地」(万有林)、「川沿いの低地」(唯心庭、唯物園)、「東部渓頭」(論理域) に分けることができる(図2-2-2 参照)。 妙正寺川に面した斜面は、10m~11mの高低差があり、急な傾斜地である。急な傾斜地の状 況として、とくに勾配の急な神秘洞周辺 (A-A 断面)および独断峡周辺 (B-B 断面)の斜面の 断面を図2-2-3 に示す。 中央庭園 万有林A (時空岡) 唯物園 A B 論理域 妙正寺川 B 唯心庭 図2-2-2 :哲学堂公園の地形 10~11m 神秘洞付近(A ‐A 断面) 独断峡付近(B ‐B 断面) 図2-2-3 :斜面地の断面 36 第2章 哲学堂公園の沿革と庭園構成 (3)植生 (『資料編:3.植生』参照) 哲学堂公園の空間を構成する植生を把握するため、エリアに分けた植生の構成種および哲学 堂77 場を囲む範囲に生育する樹木について、調査を実施した。 1)植生の特徴 哲学堂公園の植生は、台地上の平坦地に庭園としての植栽がなされた台地エリア、斜面地に 生えた樹木を保全した斜面地エリア、妙正寺川沿いの低地に植栽または自生した植物を保全し た低地エリアの3つエリアに分けられる(図2-2-4 参照)。 台地エリア、低地エリアでは、花木や添景木、また、成長した常緑樹などが、主とした緑を 構成している。 斜面エリアでは、ほぼ一本立ちの樹木が多く、萌芽再生したものは少ない。これは、現植生 が薪炭林とは異なり、伐採などの人為圧を受けずに、実生を起源とした初期段階からの遷移に よるもの、あるいは、植栽されたものと考えられる。 樹林を構成する主な樹種は、周辺の二次林で見られるコナラ、ヤマザクラ、シデ類、林縁性 のエノキ、ムクノキ、潜在自然植生種のシラカシなどにより構成され、緑化樹として植えられ たクスノキ、トウネズミモチが多く生育する。 以下に哲学堂公園内の植生の特徴を示す。 斜面地エリア 台地エリア

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