概要版-日本病院会.PDF

平成30 年度 医療人材確保と育成に係る費用について 会員病院調査 報告書 (概要版) 平成31 年2 月 日本病院会「医業税制委員会」 目 次 【緒 言】 3 【要 約】 4 【方 法】 6 【結 果】 8 Ⅰ．施設概況 8 １．開設主体別_病院数 9 ２．従事者数_合計値（全体）、平均値（全体）11 Ⅱ．病院事業会計について 12 １．貴院における直近の事業年度（前事業年度）の損益計算書の数値 13 ２．地域医療介護総合確保基金の交付について 14 ３．人材開発支援助成金（旧キャリア形成促進助成金）の交付について 14 ４．助成を受けている雇用関係助成金 15 ５．各経費負担の有無（ある・なし）及び各勘定科目 15 ６．外部研修・技術習得への支援 27 ７．特定行為に係る看護師の研修（制度）について 31 Ⅲ．人材の確保・育成、離職防止について 33 １．人材確保について 33 ２．人材育成について 38 ３．離職防止策について 39 Ⅳ．厚生労働省関係の主な制度（医療法人・医業経営の施策）について 40 １．地域医療連携推進法人制度について 40 【考 察】 41 【調査票】 45 【担当委員会名簿】 55 2 【緒 言】 医業経営の最重要課題はよりよい人材を確保することといっても過言ではない。その雇 用、育成、評価、福利厚生等、収益とは直接結びつかない分野における経営課題であり、 地域医療構想等に示される病院集約化のうねりの中で、施設個々の存在価値を維持向上さ せるには避けられない努力目標でもある。実質的な診療報酬削減政策の中、これら経費負 担は経営上の自由度低下をもたらしかねない。事実日本病院会の診療報酬等に関する定期 調査によれば会員病院の人件費率は高騰傾向にあり、乏しい原資の中での遣り繰りには限 界があることを如実に物語っている。会員各位は、このような経営環境の中にあっても、 医療の質向上と安全の確保の達成のため、日夜苦闘されているものと拝察する。 過去、日本病院会医業税制委員会（旧・医業経営･税制委員会）は、消費税非課税によ る控除対象外消費税の病院負担問題（2002 年）、手術時の医療材料に関する調査（2007 年）、医療専門職雇用に係る紹介業者問題（2011 年）、未収金問題（2013 年）、医療機 器・情報機器システムにかかる費用問題（2017 年）、等々焦点を絞り、それぞれに掛かる 費用について会員実態調査を行ってきた。今回、医療人材確保と育成に係る費用を調査対 象として会員病院における実情の把握に供することを企画した。その結果をここに報告す る。 会員病院個々の経営改善の指標としての活用や自院の相対的な位置づけとしていただく など、会員各位のお役に立つことができれば幸いである。また、日本病院会としての政策 提言や要望活動における資料としても活用したい。協力していただいた会員施設ならびに 担当していただいた方々に深甚なる謝意を表する。 3 【要 約】 日本病院会会員病院2,482 施設を対象に、医療人材確保と育成に係る費用について、ア ンケート調査を行った。回収(率) は321 （12.9％）施設であった（No.1,2）。回答施設は、 全国病院8,442 （※）の組成状況とは若干異なり、データ分析とその解釈には留意を要し た。単位病床数（100 床）に補正した結果は、回答病院321 施設の総収入は7,296 億 7,491 万円で、その内保育所設置運営（補助金、助成金）、救急関連（補助金、助成金）、 雇用関連（補助金、助成金）、その他（補助金、助成金）は413 億 1,932 万円（6.2％）を 占めた。一方費用は7,555 億8,188 万円であり、収支差額はマイナス259 億