满蒙开拓青少年义勇军.docVIP

（２）満蒙開拓青少年義勇軍 満蒙開拓青少年義　　　満州農業移民とともに満州開拓に大きな犠牲を払ったのが「満蒙開拓青少年義勇軍」である。 勇軍　　　　　　　　この義勇軍は、昭和１３年から全国青少年に満州大陸への夢とあこがれを抱かせて、１５?６才の少年を８万６千余人にわたって満州へ送り込んだものであるが、このうち羽合町から延２５名の者が渡満した。しかし義勇軍の内容について知る人は少ない。次に掲げる記事は、昭和４８年に発刊された「ああ満蒙開拓青少年義勇軍（森本繁著）」の内容を参考とし、本町に残された資料および義勇軍に応募した一部の人の思い出をまとめたものである。 青少年義勇軍の前　　　前述の満州農業移民に掲げたように昭和７年満州移民の第一次として出発した「武装移民団」 身となった饒河少　　と、８年に渡満した第二次移民団は、入植してみると匪賊の襲撃に悩まされ、土地の開拓どころ 年隊　　　　　　　　か匪賊の歩哨に明けくれて、食糧や物資の不足と、加えて赤痢の続発で団内には神経衰弱にかかる者が多く、団長に対しても不信任決議をたたきつけるなど不穏な空気がみなぎった。団員のなかには妻子を内地に残してきた者も多く、結局約半数は内地へ帰ってしまいこの計画は失敗した。 このため満州移民の父といわれた東宮鉄男、加藤完治らの発想によって独身のしかも若年層の移民を企図し、義勇軍の先駆となった少年隊の募集が行われた。この募集によって集った者は１４名で昭和１０年３月渡満し、続いて第二次の１６名、第三次の６４名を加えて８０数名となった。施設や土地、それに武器も順次揃って家畜も成育し、さきの武装移民団に比して大成功を納めた。この少年隊の名称は「少年隊」と名づけられ、大和村北進寮をつくった。 饒河少年隊の成功に気をよくした関東軍参謀部では、関係機関を招集して、移民を促進させるために満州現地に「青年農民訓練所」をつくることをはかり、そして昭和１４年中には３か所の訓練を設けて３萬人の青少年を移住させる計画がたてられた。 移民に努力した加　　　一方この計画と前後して、加藤完治は、新しくできた茨城県内原農場において３００名の青少 藤完治　　　　　　　年拓植訓練を始め、昭和１２年には３回に分けて全員渡満させて饒河少年隊と合流させた。 この頃日本内地では、饒河少年隊の入植成功と青少年訓練生の渡満によって満州開拓熱が盛り上がり、青少年の大陸雄飛への夢を大きくふくらませていた。こうした国内情勢にこれまで高鳴る胸を押えていた満州開拓の指導者たちは、今こそ「満蒙開拓青少年義勇軍」編成の時期到来とばかり関係者の動きは活発化した。そうした折の昭和１２年７月蘆溝橋事件によって日中戦争がはじまり、日本にとって満州国建設の意義は一層強まり、ソ連に対する北満の護りとともに日中戦争への兵力の投入は一挙に倍加した。このため従来から進められていた成人の満州移民は、若者が相次いで軍隊応召されて先行きは暗いものとなった。 満州移民の指導者たちの頭には、こうした情勢判断によって満州開拓はいやが応でも少年に頼らざるを得ないものとし、そしてこれら青少年をもってソ満国境防備、満州国内僻地の治安維持、さらに戦時下の食糧不足を補うための食糧増産に向けるという大きな発想を抱いた。こうして昭和１２年１１月３日加藤完治外５名の指導者は「満蒙開拓青少年義勇軍編成に関する白書」を近衛総理大臣ほか各閣僚に提出した。 青少年義勇軍編成　　　この建白書は、当時の指導者の満州開拓に対する考えかたと社会情勢をよくあらわしているの の建白書　　　　　　で、その一部を抜すいして次に掲げてみる。 建白書に動かされ　　　この建白書に書かれているように、義勇軍の目的は満州国の開拓はもちろんであるが、国防力 た政府の義勇軍募　　の増強と内地における人口問題もあわせて解決するといった目的を有しており、内閣もようやく 集　　　　　　　　　この意義の重要性を認識してこれを国策として推進することを昭和１１年１１月３０日の閣議で定め、いよいよ１３年から青少年義勇軍の募集を開始することとした。 募集は「青少年開拓民実施要領」に基ずき、昭和１３年度には５０,０００人、いかなる場合でも３０,０００人を下らないものという目標を掲げて行われ、１３年度第一次として５,０００名を募集した。ところが全国的にその反応は大きく、応募した者は９,０００名を越した。このため予定を変えて７,７００名を採用し、さらに同年５月７,５００名、６月に１,０００名、８月に２,５００名をそれぞれ茨城県内原訓練所に入所させた。 義勇軍募集に協力　　　義勇軍の募集はこのようにして始まり、青少年に対して驚くほどの反応と白熱ぶりを示したが、 を求められた町村　　なぜこのような状況が生まれたかといえば、この