原子力発电所等-公益社団法人日本技术士会.pdf

重要施設の電源確保に関する検討報告の概要 H24(2012)年 10 月 9 日 公益社団法人 日 本 技 術 士 会 電気電子部会 電力エネルギー構想会議 公益社団法人日本技術士会 電気電子部会は、東日本大震災を機に 「電力エネルギー構想会議」 を設置 し、重要施設の電源確保について検討 しています。 重要施設の対象を明確にするため、原子力発電所および原子力を利用 したその他施設を原子力発 電所等、人命救助の要 となる病院や ICT 社会を構築するデーターセンターなどの公共施設を一般重 要施設、にそれぞれ区分し検討 しています。 今回報告は、東日本大震災による東京電力福島第一原子力発電所の全電源喪失事故の深刻 さに鑑 み、電気電子部門の技術士の立場で実務的な技術知見をベースに電源確保対策の検討を行いました。 検討は、原子力安全 ・保安院が指示 した “緊急安全対策”、および “意見聴取会による技術的知 見のとりまとめ”に基づく対策のうち、設備的な対策について想定 される全ての外部事象において も原子力発電所 としての電源喪失に至らない対策 となっているかを検討 しました。 原子力安全 ・保安院は、原子力発電所施設外部からの電源供給方式、施設内での電源確保策、電 源確保のための管理方法、計装設備の機能強化、非常時対応マニュアルの再整備、緊急連絡体制の 確立など、幅広く具体的な指示でありました。 電力エネルギー構想会議は、これらの指示内容から原子力発電所の設備対策を検討対象 とし、管 理 ・機能強化や実運用面の諸対策は各原子力発電所の固有条件を考慮する必要があるため検討対象 外 としました。 原子力安全 ・保安院が指示 した設備の主な対策は、 〇原子力発電施設に電源を供給する設備 （外部電源供給設備）は、耐震強度不足が懸念 される機 器や絶縁がいしなどを強化し電力設備自身の耐震強化をはかること、かつ、供給する送電線は、 鉄塔が倒壊 しない地盤の選定や異なる変電所から異なる送電経路 とすること、また多重の設備 を相互に連系できる接続 とし、電源供給を継続できる多重設備構成 とすること、 〇原子力発電施設内は、建屋出入口扉を水密化 し、多様な非常用発電設備を多重化 し位置的に分 散すること、かつ、交流 と直流の適正な容量の非常用電源を備えること、また計装用や作業用 など個別の専用電源とし、電源供給を継続できる多様な所内電気設備 とすること、 〇原子力発電施設において、建屋の外部からも電源供給できる電源車を配置 し、高台にて保管す ること、かつ緊急時の資機材 ・予備品は、高台に設置 した倉庫に適正量を保管すること、 であり、多重 ・多様な外部電源 ・所内電気設備対策と、外部電源 ・所内電気設備それぞれの機能分 担 と相互協調により、電源供給 トータルシステムして妥当かつ合理的 と判断されます。 なお、外部電源、緊急用発電設備、非常用直流電源設備、建屋などにおいて、電源供給の一層の 信頼度向上を図るため、電力エネルギー構想会議 としてより実際的 （実務的）な一部の追加対策を 原子力発電所個別に検討 し、必要に応 じて追加実施することを推奨 します。 詳細は、別紙 「重要施設 （原子力発電所等）の電源確保に関する検討報告」を参照願います。 以上 重要施設 （原子力発電所等）の電源確保に関する検討報告