物理学実験 III 「X 線回析と可視吸収」
守友 浩 自B607 4337 moriromo@sakura.cc.tsukuba.ac.jp
上岡隼人 自B205 4220 kamioka@sakura.cc.tsukuba.ac.jp
2009/6/2 改訂
本テーマの目標は、もっとも汎用的な構造解析法であるX 線粉末構造解析の知識と技術を習得
することと、分光を通じて d 電子系の電子状態の理解を深めること。X 線回折実験は 1F204 実験
室で行い、それ以外は自B203 セミナー室で行う。関数電卓を持参すること。
I X 線構造解析概論(2日)
1.X 線の発生
2.格子と基本構造
3.原子および結晶からの回折
4.粉末試料からの回折強度
II 粉末構造解析の実際(1日)
1.Si の回折データーの解析
2.リートベルト解析と解析結果の評価
III 粉末回折データーの測定と解析(実験1日、解析1日)
1.KBr 等の粉末回折データーの測定
2.Rietan-2000 による回折データーの解析
IV d 電子系の可視吸収(実験2日、解析1日)
1.光学遷移と振動子強度
2.金属イオンの可視吸収
3.錯体結晶の可視吸収
X 線構造解析.について
・ 「X 線構造解析」 早稲田嘉夫、松原英一郎(内田老鶴圃)
・ 「X 線回折要論」 カリティ (アグネ承風社)
・ 「X 線結晶構造解析の手引き」 桜井敏夫 (裳華房)
・ 「物質の対象性と群論」 今野豊彦 共立出版
粉末構造解析の実際について
・ 「粉末構造解析の実際」 中井 泉、泉富士夫 (朝倉書店)
d 電子系の可視吸収について
・ 「配位子場理論とその応用」 上村、菅野、田辺 (裳華房:物理学選書4)
・ 「金属錯体の現代物性化学」 山下正廣、小島憲道 (錯体化学会選書3)
テキストや software のdownload に関しては、
http://www.sakura.cc.tsukuba.ac.jp/~moritomo/
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I. X 線構造解析概論
1. X 線の発生
X 線とは、波長が 0.5-2.0A の電磁波である。電磁波なので二つの偏光がある。また、光と同様に、“波
動性“と”粒子性“を兼ね備える。物質とのエネルギーのやり取りのない回折現象では、”波動性“が前
面に顔を出す。
連続X 線
充分大きな運動エネルギーを持った荷電粒子が急
速に加速されると X 線が発生する。X線管球では、
数 10keV の高い電圧が陰極 (フィラメント)と金属
陽極(ターゲット)の間にかけ、電子を陰極から引
き出しターゲットに高速で衝突させ、X線を発生し
ている。このようにして発生するX線は、いろいろ波長を持って
いるので連続X線、または、白色X線とよぶ。このX線の短波長
λ は、
min
hc
eV hν (1.1)
max λ
min
である。V は加速電圧である。実用上は、
1.24
λmin [nm] (1.2)
V[KeV ]
が便利である。他方、X線の強度I は、
I ∝iZV m (1.3)
であり、i は電流、Z はターゲットの原子番号、m は2程度の定数である。したがって、強い白色X線
を発生されるためには、W やAu などの重金属を使用する。
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