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4. 水文地質調査 中華人民共和国新疆トルファン盆地における 4章 水文地質調査 持続的地下水資源利用調査最終報告書 要約 4 水文地質調査 4.1 調査方法 水文地質調査は主に 4 つの調査項目から構成される。 1. 水文地質解析 既存の水文地質関連調査資料を分析し、トルファン盆地の水文地質構造をとりま とめる。また、スペースシャトル地形データ（SRTM）や SPOT、LANDSAT などの 衛星画像データを収集・解析し、トルファン盆地および周辺地域の地形や地質状況 を把握する。 2. 物理探査 トルファン盆地内の基盤深度分布および第四紀層の層相を推定するために、TEM 法による物理探査を実施する。探査深度は 400～600 m とする。 3. 試掘調査 トルファン盆地を構成する第四紀層の層相や基盤深度を確認するとともに、地下 地質層序を確立して水文地質区分を行うために試掘調査を実施する。試掘調査は北 盆地で 1 箇所、南盆地で 4 箇所の合計 5 箇所で行うこととし、試掘本数は北盆地の 掘削箇所で 1 本、南盆地では各掘削箇所 2 本ずつの計 9 本とする。 4. 揚水試験 帯水層係数を得るために、上記で掘削した試掘井において揚水試験を行う。揚水 試験は段階揚水試験、連続揚水試験、回復試験の 3 種類を行い、透水量係数や貯留 係数等のパラメータを算出する。 4.2 地形と地質 4.2.1 地 形 トルファン盆地は、広域的には東に隣接するハミ盆地と合わせてトルファン－ハミ盆 地（あるいは吐哈盆地）とも呼ばれ、ほぼ東西に伸びる細長い構造盆地である。大きさ は、東西方向で約 500 km、南北方向で最大約 120 km である（図 4.1）。 盆地内の標高はトルファン盆地の方が低い。トルファン盆地の中部にある艾丁（アイ ディン）湖は盆地の最低点で、これは中国の最低点でもあり、その海抜標高は-155 m で ある。これに対して、ハミ盆地では標高 0 m 以下の低地は存在せず、盆地内の最低標高 は約 45 m である。 トルファン盆地とハミ盆地は、地形的にトルファン盆地の東部にあるクムタグ（库木 塔格）砂漠東方の鞍部（標高約 295 m）により分けられる。トルファン盆地の北側は東部 天山山脈、西側は中部天山山脈、南側は中部天山山脈およびそこから連続する低山～丘 陵が境界となっている。 トルファン盆地の中部には、トクソン北方からトルファン西方にかけては標高 300～ 600 m の塩山（エンシャン）が、また、トルファン北方から鄯善（シャンシャン）にかけ 4-1 中華人民共和国新疆トルファン盆地における 独立行政法人 国際協力機構 持続的地下水資源利用調査最終報告書 要約 国際航業株式会社 ては火焔山（最高峰 851 m）が東西に帯状に分布している。このように、トルファン盆地 は盆地中部に東西に分布する塩山－火焔山によって、北盆地と南盆地に分けられている (図 4.2)。 SRTM-3 データにより作成したトルファン盆地の南北方向の地形断面図を見ると明ら かなように、北盆地は南盆地よりも標高が高く地形面傾斜が比較的急であるのに対し、 南盆地は地形面傾斜が中央部にいくほど緩くなる（図 4.3）。 北盆地は南北