赤蛙 岛木健作.docxVIP

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  • 2023-05-08 发布于上海
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赤蛙島木健作 赤蛙 寝つきりに寝つくやうになる少し前に修善寺へ行つた。その頃はもうずゐぶん衰弱して ゐたのだが、自分ではまだそれほどとは思つてゐなかつた。少し体を休めれば、ぢきに元 気を回復するつもりでゐた。温泉そのものは消極性の自分の病気には却つてわるいので、私はただ静かな環境にたつたひとりでゐることを欲したのである。修善寺は前に一晩泊つ たことがあるきりで、べつにいい所だとも思はなかつたが、ほかに行くつもりだつた所が、宿の都合がわるいと断つて来たので、そこにしたのだつた。 宿についた私はその日のうちにもうすつかり失望して、来たことを後悔しなければなら なかつた。実にひどい部屋に通されたのだ。それは三階の端に近いところで、一日ぢゆう 絶対に陽の射す気づかひはなく、障子を立てると昼すぎの一番明るい時でも持つて来た小 型本を読むのが苦労だつた。秋もまだ半ば頃なのだが山の空気は底冷えがする。熱も少し あるらしく、冷(ひ)いやりとした風が襟(えり)もとや首すぢにあたるごとにぞくぞくする。それに風のかげんで厠臭(ししう)がひどくて堪へられぬ。誰でもさうだらうが、私も体が弱るにつれて、それが悪臭なら無論、芳香であつても、すべてのにほひといふに ほひには全く堪(こら)へ性(しやう)がなくなつてしまふのである。それで私はどうしても障子を立てて、一日その薄暗いなかに閉ぢこもつてゐなければ

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