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悪性腫瘍患者の血清糖蛋白に関する臨床的研究 第1編 悪 性 腫 瘍 の進 展 度 と血 清 α1-Acidglycoprotein 及 び α1-Antitrypsin値につ いて 岡山大学医学部　平木内科(指導:平木 潔教授) 助 手　 大 熨 泰 亮 昭〔和48年8月1日受稿〕 内 容 目 次 第1章 緒 言 対比 第2章 実験対象並びに実験方法 第1項 α1-AGとα1-ATの関係 第1節 対 象 第2項 α1-AG及び α1-ATとseromucoid, 第2節 実験方法 PBHとの関係 第3章 実験成績 第3項 α1-AG及び α1-ATと血漿fibrinogen 第1節 α1-Acidglycoprotein(α1-AG)及び 量,血 沈値及びLDH活 性 との関係 α1-Antitrypsin(α1-AT)の測定精度 第7節 各種疾患別(悪 性腫瘍)の 血清 α1-AG 第2節 血清保存条件 による測定値 の変動 及び α1-AT 第3節 健康人 の血清 α1AG及びα1-AT値 第1項 肺 癌 第4節 非悪性腫瘍患者 の血清 α1-AG及び α1- 第2項 胃 癌 AT値 第3項 原発性肝癌及び転移性肝癌 第5節 各種悪性腫瘍患者の血清 α1-AG及び 第4項 悪性 リンパ腫 α1-AT値 第4章 総括並びに考案 第6節 α1-AG及び α1-ATと各種検査成績 との 第5章 結 論 疫化学的定量法が確立 され,今 日ではseromucoid 第1章　 緒 言 の主成分 とされてい る α1-Acidglycoprotein(以 悪性腫瘍患者 の血清 中に糖質 を含 んだ複合蛋白, 下 α1-AG)やα1-Antitrypsin(以下 α1-AT)が容易 す なわち糖蛋 白が増加す ることは古 くよ り多 くの研 に測定できるよ うになってきた. 究者の注 目を集 めてお り,これに関す る業績は枚挙 しか しかか る現象 を担癌 による宿主内部環境の変 にいとまない.1)-4)中で もWinzler5)6)らによっ 化 として捉 え,腫瘍病変の進展度,治 療効果 さらに て0.6M過塩素酸可溶で,しか も燐 タングステン酸 によ は予後 との関連 について言及 した報告 は必ず しも豊 って沈澱す る画分であるseromucoidが種 々の病態 富でな く,特に α1-AG,α1-ATについてかか る点 に最 もよく反応す ると報告 されて以来,本 画分 につ を追求 した成績にはほとん ど接す ることはできない . いて特 に多数の検討がなされて来た.7)-12)一方近年 従 って本編 では多数 の悪性腫瘍患者 について血清 に至 り蛋白質化学の進歩 とあいまって各種蛋 白質の免 α1-AG