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氷核活性微生物を利用 した新 しい食品加工技術の開発 45 氷核活性微生物を利用 した新 しい食品加工技術の開発 荒 井 綜 一(東京大学農学部助教授) 植物素材から肉類似物 を作 る目的で,タ ンパ ク な凍結組織 を形成 させ ようとい うアイデアでな さ 質の組織化に関す る研究 が多 くなってお りD,日 れ たものである。 本でも凍 り豆腐 で代表 され る伝統的凍結組織化が 方〔 法〕 長年実施 されてきた2)。一般に,水分散液や水性 ゲルは過冷却 し易 く,過冷却状態 を破って氷結晶 市 販 の鶏 卵,ウ シ血 液,脱 脂 乳,コ ー ンス ター を形成 させるためには水の融点よ りもかな りの低 チ,グ ル コマ ンナ ン,分 離 大 豆 タ ンパ ク質(SPI), 温が要求 される。これには第一にコス トの面 で問 寒 天 を素材 と した 。 題があ り,第二に氷結晶が乱雑に生成 して等方性 鶏 卵 か ら卵 白 を分離 し,100メッシ ュ の ふ る い のスポ ンジ様構造 がで きて しま うとい う問題 があ を通 した。 ウシ血 液 はそ の まま用 い た 。SPIは脱 る。不均 一氷晶核 を加えないで操作す る従来 の凍 気 水 と混 合 し,5,10,15.20重量%の 分 散液 と 結法では コス トの低下は難 しいが,第二の問題点 した 。大 豆 カ ー ドは10重量%SPI分 散 液1009を は,氷晶核 を一方向へ成長させ るよ うに工夫 すれ 70℃で10分間加 熱 し,20℃まで冷 却 した後,塩 化 ば,解決できる。これには2っの方法が知 られて カ ルシ ウム0.19を加 え て調製 した。 生 じたホ エ お り,その第一は魚 肉の ような繊維状の素材 を用 ーは分 離 しな か っ た。 脱脂 乳1009を65℃ で10分 いること3)。第二は加圧下で水 を層状 に融解 して 間加 熱 し,グ ル コ ノーmラ ク トン0.459を加 え, 凍結 スラリー組織 を一方向に配向 させることであ 2000xgで10分間遠 心 分離 して得 られ た 沈澱 を ミ る4)。 ル ク カー ドした 了)。寒 天 は暖 めた蒸留 水 に 分散 さ 穀類の霜害はいたるところで大 きな問題 となっ せ,0.25,0.5,1および2重 量%濃 度 に調 整 し ている。最近,PseudomonassyringaeやErzvi-た 。 コー ン ス ター チ(5,10,15,209)は 脱 気 niaherbicolaのよ うな氷核活性細菌 が原因 とな 水 に懸 濁 させ,全 量 を1009に調 整 し,沸 騰水 浴 って,理論的 には不均一核が存在 しない限 り水滴 中 で15分間穏 や か に撹 は ん しなが ら暖 め,コ ー ン の凍結 が起こらないよ うな氷点下の温度領域 にお ス タ ーチ を糊 と した。グル コマ ンナ ン(o.25,0.5, いて,霜 に弱 い植物が被害 を受けることが知 られ 1,29)に は55℃,100mlの水 を加 え,同 温 の水 ている。このよ うな氷核活性細菌 が引 き起 こす現 浴 中 で30分間穏 や か に撹 は ん し,グ ル コマ ンナ ン 象 をbacterialice-nucleationと呼ぶ5)。 ペ ー ス トと した。 カル シ ウム架 橋 グル コマ ンナ ン 日本 では早春 に茶木の霜害が起こる。牧野6)は (グル コマ ンナ ンーCa)ゲ ル は グル コマ ンナ ンペ 霜害に