金子光晴的上海——以《骷髅杯》为中心.pdfVIP

概要 《骷髅杯》是被誉为“反骨诗人”“抵抗诗人”“流浪诗人”的金子光晴(1895-1975) 晚年所著的一部自传。这部自传回忆了从1923 年日本关东大地震到1929 年离开上海开 始东南亚、欧洲之旅之间的岁月。《骷髅杯》作为金子光晴颇受好评的晚年自传四部曲 之一，以及日本“游沪派”作家的“上海书写”的代表作之一，在日本已有一些相关研 究。但在中国，由于长期以来对日本现代诗歌的翻译和研究略显沉寂，作为诗人的金子 光晴也一直未受关注。 本研究首先回顾了金子光晴前半生的流浪经历，从其养子的身份、幼年的生活经历 以及老庄思想的影响来探究其执着于旅行、流浪的原因。并从其汉文学的修养以及对中 国的深厚感情来揭示金子光晴与中国的缘分。 第二章，在阅读金子光晴所有与上海旅行有关的作品，并参考其他相关当事人的记 录的基础上，力图还原金子光晴三次上海之旅的动机、时间、具体活动等。将《金子光 晴全集》中所有与中国旅行有关的作品整理，并按时期分类，概括各时期的上海书写的 特点。 第三章，以《骷髅杯》为中心具体分析金子光晴的上海图像。光晴通过身体感觉尤 其是诗人敏锐的嗅觉来描绘上海这个都市颓废的一面，这种表现方式深受颓废主义诗人 波德莱尔的影响。另外“骷髅杯”也是他表现颓废都市的一个重要意象。在他的眼中， 上海的魅力在于各类人的混居。金子光晴尤其着力描绘了生活在社会底层的苦力劳动者 和日本居留民。本论文将芥川龙之介笔下的人力车夫和光晴笔下的人力车夫进行对比， 揭示其中巨大差异。另外考察光晴笔下的普通日本居留民形象，探究光晴所谓的“上海 破落户”这一人群形成的原因。 在第四章，对金子光晴独特的上海图像的形成原因进行考察。颓废派诗人、身无分 文的流浪者、世界主义者这三个身份集于一身，对金子光晴的上海认识和上海理解产生 了重要影响。 关键词：《骷髅杯》，金子光晴，上海图像，颓废主义 I 要旨 「反骨詩人」「抵抗詩人」「風来坊の詩人」と呼ばれる詩人の金子光晴(1895-1975) によって書かれた『どくろ杯』は、1923 年の関東大震災から 1929 年の三回目の上海 旅行までを語る自伝である。日本において『どくろ杯』は、自伝四部作の一つとして 高く評価され、また日本の「游滬派」作家により語られた「上海もの」の代表作とし て研究者から注目され、関連した研究も少なくない。一方中国では、日本の近代詩に 対する翻訳と研究が十分でないためか、『どくろ杯』に限らず、詩人としての金子光 晴についての研究もあまりなされていないのが現状である。本研究は、金子光晴の上 海見聞を記した『どくろ杯』を初めとした上海関連作品に焦点を当て、考察を行いた いと考える。 第一章では、まず金子光晴の浮浪詩人としての生涯をたどり、その人並み外れた放 浪癖について、氏の幼年期の経験との関係、また氏が深く影響を受けたと考えられる 老荘精神との関連に着目し考察を試み、特に漢文学の素養と中国への愛着という二点 から金子光晴と中国のよしみをあきらかにする。 第二章では、作者の上海関連作品を熟読し、他の当事者の証言や記録を参考にし、 光晴の三回の上海旅行の具体的経緯、経過、活動などを精査する。『金子光晴全集』 十亓巻には上海関連の作品が数多くあり、タイトル上に「上海」をつけないものもあ る。上海関連のものを網羅し、それに基づきながら、周辺資料も多用して、光晴の上 海体験を整理する。 第三章では、光晴が見た上海が一体どういうものであったのか、その上海像の形成 には詩人独自の感性が働いたのかを考えてみたい。西洋を自身の目で見たことのある 光晴は、摩登都市としての上海より、スラム都市としての上海に注目していたのでは ないだろうか。光晴の目に映った上海は、人間の混雑によって魅力が生まれてくる都 市だった。彼はまた「上海ゴロ」と呼ばれる日本居留民、苦力労働者、モダン女性及 び知識人を描き出している。詩人の光晴が上海のスラム都市の一面を語る際、どのよ うなイメージをもってそれを示しているのかなどを解明する。 II 第四章では、他の日本人作家、特に20 年代に来滬した作家の「上海もの」とくら べ、光晴と彼らとの違いを探り、それに映し出される光晴の個性を