慢性後十字靱帯損傷の自然治癒の特性分析：不安定性の分析とMRI.pdfVIP

慢性後十字靱帯損傷の自然治癒の特性分析： 不安定性の分析と MRI Characterization of Spontaneous Healing of Chronic Posterior Cruciate Ligament Injury: Analysis of Instability and Magnetic Resonance Imaging Young-Bok Jung, MD*, Ho-Joong Jung, MD*, Jae Jun Yang, MD*, Dong-Lyul Yang, MD*, Yong Seuk Lee, MD*, In-Sup Song, MD, and Han Jun Lee, MD *Department of Orthopaedic Surgery, Medical Center of Chung-Ang University, Seoul, Republic of Korea Journal of Magnetic Resonance Imaging 27: 1336–1340 (2008) コメント　関谷　透 （東京慈恵会医科大学放射線医学講座） ● 要　　約 ● 目　　的 結　　果 不安定性の測定および MRI 所見を評価することによっ PCL の輪郭は計 13 例（28％）ではほぼ正常，20 例（44％） て，後十字靱帯（PCL）損傷の治癒過程を検索する。 では連続性がみられるものの変形しており，13 例（28％） では連続性がみられなかった。受傷から MRI までの 対象と方法 期間と連続性との間に直接的な相関関係は認められな 受傷後 2 ヵ月以上が経過した PCL 完全断裂患者の かった。しかし，受傷後 6 ヵ月以上経過した後に MRI を 46 例の MRI 所見を，他の検査結果とともに，遡及的に 施行した群では，6 ヵ月以内に施行した群よりも連続性を 分析した。 示す例が多くみられた（p ＜ 0.01）。連続性がほぼ正常な 群では，連続性がみられない群よりも KT-1000 関節計 および負荷 X 線像の安定性が良好であった（p ＜ 0.05）。 他の靱帯損傷が合併している場合には，PCL の連続性の 回復が障害される傾向がみられた（p ＜ 0.05）。 結　　論 慢性 PCL 損傷例の 3 分の 2（72％）以上に MRI で靱帯 の連続性が認められ，特に受傷後 6 ヵ月以上経過した症例 では高率で認められた。連続性が回復すれば安定性が 向上する可能性がある。他の靱帯損傷が合併している 場合には，PCL の自然